頑張れエース
□意識
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−突然だが、おれはマルコに恋している事に気付いてしまった。
「ああ、何言ってるんだ、おれ?うおぉお!!」
壁に頭を打ち付けても、この考え、気持ちは変わらなかった。
「そうだ、悩むおれは、おれじゃない!そうだ、おれはマルコが好きなんだ…男だけど」
だけど、いきなりマルコに気持ちを伝えたら、嫌われるかもしれない…。おれ、不器用だから…。
ふと、耳を澄ますと
「キュッ、キュッ」
何かを磨くような音が聞こえてきた。あれ、ジョズが部屋にいるのかな…と気付いたらジョズの部屋のドアをノックしていた。
「ジョズ、おれだけど…」
「エースか?入っていいぞ…」
相変わらず、ジョズの部屋は、きちんと整理整頓されていた。海賊に似合わずというか、何というか…
「どうした?表情が暗いぞ…また、何かあったのか?」
ジョズは、巨体に似合わず心優しい。何かと気を遣ってくれる良い奴だ。
そんなジョズに相談しても良いだろうか…。いや、悩んでも仕方ない。
「なぁ、ジョズ。笑わないでくれよ。おれ、マルコに…惚れちまったんだ!」
ピタリと鎧を拭いていた手が止まる。
「…マルコに…?」
「分からないけど、好きなんだ!」
「確かに、マルコは頭のキレも良いし、行動力や判断力もある。いわゆる大人だな。それは、好きという感情じゃなくて、一種の憧れに近い感情じゃないのか?」
「憧れ…?」
「ああ。それは、大人の男に憧れる気持ちだろう。ああいう大人になりたいという願望だろうな」
ジョズの言う事は当たっていたのかもしれない…だけど、それは違うような気がした。だったら、ジョズだって包容力あって、強いから頼りになる『大人』だし、サッチだって、場の空気を読んで和ませるし、いざという時には、隊長らしさを見せる『大人』だ。ビスタに至っては『大人』の色気ムンムンだ。
『大人』だからじゃない『マルコ』だからだ。
「違うって、マルコだからだよ。マルコが好きなんだよ」
「…理屈じゃないんだな」
ジョズは苦笑して、鎧を磨いていた布を机に置くと、改めてエースと向き合った。
「おれも、長年、海賊生活をやっているから、別に珍しい事ではないが…まあ…出来る事があれば相談に乗ろう」
何かあれば、事情を知る自分が間に入れる。そんな考えもジョズにはあった。
「そっかー、ありがとうなジョズ!悩んでる場合じゃないよな!悩むより行動だよな」
「…ああ」
「じゃあ、早速なんだけどさ、マルコとキスした時に下手だと嫌じゃん?だから、練習台になってくれよ?」
−え?ああ、そう…エースは元々、悩むようなタイプじゃない、アドバイスを間違え…たか?
と思うと同時にエースが飛び込んできた。
「ほら、減るもんじゃないし!」
「あっ、お前…ロギアだから…あっ、駄目…ん…!!」
「うーん、難しいなぁ」
「はぁ…はぁ…サ、サッチやビスタにも相談に乗ってもらったらどうだ?」
エースの瞳が、キラキラと輝く
「そっか、仲間を増やすんだな!」
そう言い残すと、エースは足早に去っていく。
一人、部屋に残ったジョズは、へたりと座りこんだ。エースの唇の感触が忘れられず、頬を赤らめていた。
「あれ…?何だ、この気持ち…」
今回の結果
ジョズ
友情 50→55
愛情 0→ 5