[11〜19話]

□18話
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コンビニ『マリーン』1号店前、大集合。

「あけましておめでとうございます! ルフィさん、ロロノアさん!!」
「うはーっ、ビビ着物きれーだな!! あっけおめ〜!!」
「よう、ロロノア。あんま変わんねェな」
「久しぶりだなコーザ」
「お待たせしましたみなさん! へそ!!」
「あけおめコニス!!」
「おめでとうございます! 今年もどうぞよろしくお願いしますね!」
「コニスも着物だ! きれーだなっ」
「ふふっ、ありがとうございます♡ あ…マッキンリー隊長は今日は当直だそうでこられなくて……」
「当直? なんかわかんねェけど忙しいんだな? 残念だな。よろしく言っといてくれな!」
「ええ、もちろんです♡」
「さ〜て、んじゃ揃ったところで。元祖『マリーン』に今年初来店だっ!!」
実はルフィ、朝から召集礼状(と言う名のメール)を出し、みんなを夕方集めたのだ。
まずは『マリーン』店長たしぎにお年始参りの後、居酒屋で新年会コース、が日程なのである。
カランコロ〜ン。
「たしぎ店長、あけましておめでとうございまーす!!」
「あらみなさんお揃いで……! あけましておめでとうございます!! ようこそいらっしゃいませ〜!」
「うは〜、懐かしいなぁ、たしぎ店長の『いらしゃいませ』……。な、ロロノアさん!?」
新年早々懐かしがってしまうルフィである。
「べっつに……」
が、ゾロの方はと言えば、ルフィとの思い出の方がよっぽど懐かしかったらしいとかなんとか……。

でもって店内、実況中継開始。

ゾロとたしぎの場合。
「ロロノアもいたんですか……。年始めから縁起が悪いったら」
「ちっ、今年は蛇年だったか? たいがいしつけーよな、てめェはよ」
「残念ですが今年は亥年です!!」
「猪突猛進か……迷惑な」
「なんですって!?」

女性陣+ルフィの場合。
「ロロノアは気に入らないけどルフィくん! で、その後ロロノアとは!?」
「ん?」
「それがねー、たしぎ店長。仲良くしてるみたいなの!」
「ふふっ、そうみたいですよ! よかったですよね、ルフィさん!!」
「んん?」
「ならよかったです! どうかお幸せに……! ロロノアじゃ不安が残りますけどね……」
「んんん? な、なんかわかんねェけど……。ロロノアさんといるとシヤワセだぞー、おれ! ししし!」
「惚気られたわ!!!」

ゾロとコーザの場合。
「また女どもが勝手に盛り上がり始めたぞ、ロロノア」
「だからルフィは男だっつーのに……」
「で? あー……ルフィとはそのー、ど、どこまでいったんだ?」
「……家に連れてかれた。昨夜も泊まってけって言われたんだがな、会社の車だったんで帰った……。んでいきなり今日もここへ連れてこられたってわけだ、ルフィに」
以上、前回までのあらすじでした。
「相変わらず振り回されてんだな……。って! もう親御さんに挨拶したのか!? へ〜、やるなァお前……。親公認か、いいな……」
「あ?」

閑話休題。
「よっし、挨拶も済んだし、宴に繰り出すぞヤロウどもー!!」
「おーっ!!」
鶴の一声もといルフィの一声でこの後、一向は新年会へと移行し、大いに盛り上がるのだった。

おまけ。
ルフィとコーザの場合。
「なァルフィ……」
「おう、なんだコーザ。ビビとはうまくやってっか? 泣かしてねェ?」
「それがまぁ色々あったんだがそれはビビがそのうち相談にいくと思うからよ、そんときは頼むな」
「おお!? そうなんか!? そりゃいけねェな、さっそく…」
「いやだからちょっと待てって。こっちの質問が先だろう」
「おっとそうだったな! 悪ィ悪ィ。んで?」
「あの、よう。…………ロロノアってうまい?」
「???」



──解散後。
「あ〜〜楽しかったなァ〜、みんなと騒げて話せて食えて!! な、ロロノアさん!?」
「おれは酒が呑めりゃなんでもいい。できればもっと静かならいい」
「ロロノアさんらしいお答え……」
帰路途中だ。こっからは終始“ルフィとゾロの場合”、となる。
「それよかお前だよ、ルフィ」
「へ?」
「“練習する”とかあいつらに言うんじゃねェよ! みーんなしておれに問い詰めてきやがって……」
「あ、ごめんごめん! だって“このあと二人はどうすんの?”って聞かれたから、素直に“ロロノアさんちで練習!”って言っちまったんだよな〜」
あっひゃっひゃ、とルフィは笑って、陽気にゾロの肩をバンバン叩いた。少々アルコールが入っているのだ、ほっぺたが熱くてでも寒さで鼻の頭も赤いと思う。
「さっきから卑怯なくらい可愛い顔してっしよ……強く出れねェだろうがよ……」
「はえ?」
「ちくしょ、今年もダメダメだ……」
「な、なんか凹んでる!?」
今夜はちゃんと泊まりOKをもらってきたルフィだった。はっきり言って浮かれまくっている。ゾロは「承諾もらったらいいってもんじゃねェ」と言ったのだけれど、「だって“勝手に抜けてくんな”って言ったじゃん」と返してやった。だってホントだ。そしたら「“色々危険”の方を重視して欲しかったんだが……」とゾロが頭を抱えたのだが、最後はわがままルフィに折れてくれたようだった。
今年もゾロはすこぶる優しい。えへへ、ロロノアさん大好きだー!!
「んじゃ、練習を始める!!」
そんなこんなでゾロのアパートなのである。
「やっぱりやるのか……」
ちなみに二人とも、着くなり風呂に入ったのでパジャマ着用。ルフィは自前を持参。新年用に新しく買ってもらった、緑のチェックでネル生地の、あったかいやつ。緑を選んだのは当然ゾロっぽいから。
「パジャマ姿もヒキョーだしよ……」
「ん? ロロノアさんは練習イヤか? だったら、」
「いや、んなことねェよ。風呂場で二回抜いといた。どっからでもかかってこい」
なぜか空回り気味に気合充分なゾロに、ルフィは彼がやる気になってくれたのだと嬉しいけれども。はてな、と首を捻った。
「……?」
ぬくって? なにを? あ、お湯の栓かなー。←大バカ
「で、何から始めるんだ? ルフィ先生」
「うん! とりあえず、ぎゅってしてもらおーかな」
「お安い御用だ」
そろそろと伸びてきたゾロの両手にルフィは無意識に身構えた。が、大人しく腕に抱かれるところまでは成功した。これはなかなかの進歩だと言える。
おっ、おれってばスゴくね!?
「じゃ、次はえっちする真似でいってみよ!!」
「……それは調子に乗ってねェか。ムリだろ」
「んなことねェ!! 今夜のおれは一味違うんだっ!!」
なんたってまだほろ酔いだし。今日は楽しかったし。お腹もいっぱいだし(関係ないし)。
それに、“ロロノアさんといるとシヤワセ”ての、本当だし……。
ルフィはぎゅうっとゾロに抱きついていって、その続きを催促した。



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