[裏コンビニ](16禁)

□35.5話
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「そんな気に入ったか?」
携帯の待ちうけ画面をマジマジと穴が開くんじゃないか、ってくらい見つめているゾロに、ルフィは小首を傾げながら彼氏の横顔を覗き込む。
「え、ああ……」
ああという割りにゾロの顔は上がらない。
さっき、撮ったばかりの2ショット。それを眺めたままなのだ。
「あ、気に入らなかったとか!?」
ふと思い至ってルフィは聞いてみた。そしたら撮りなおしたいと思って。
「は? なんか言ったか」
「聞いてなかったんかよっ」
ぷう、とルフィが頬を膨らませる。
「それよかルフィ、お前カメラ映りよくねェ?」
すごくいい、とゾロは素人目に思うのだ。平面に切り取られたルフィがゾロはなんだか新鮮で、さっきから目が離せない。
「ん? そうか?」
ルフィも一緒に覗き込んでみる。
「おれはいいと思うんだが……。やっぱ、可愛いよなァ、お前って。うん可愛い」
何度も頷きながら神妙に呟くゾロにルフィはちょっとあっけにとられ、それからぷっと笑ってしまった。
「うはは! ゾロ変なのー。そんな可愛くねェって。男だし。ゾロにそー言われるの嫌いじゃねェけど」
「変言うな。すげー可愛いと思ってるってちょうど1年前に白状しただろ。改めて再認識してんだぜ?」
心外だと言わんばかりのゾロのしかめっ面にまたルフィは笑う。ちょうどこの待ち受け画像の中のゾロみたいだ。
携帯の画面には向かって左に仏頂面のゾロ、右に笑顔のルフィがぴっとりくっついて撮られていた。初の、2ショット写真。これもゾロ誕の思い出の1つ。
ゾロが見惚れていたのはその満面の笑顔もそうだったのだが、実をいうとそれだけではなく。つまり、今ルフィは上半身裸なものだから……。
胸がギリギリ見えないくらいのバストショットではあるものの、その白い肩とかなめらかに浮いた鎖骨とか、ほそっこい首とか……が、その、なんと言いましょうか。
「もう何べんも本物見てんのに、我ながら足りてねェよな……」
情けない。
「つーかさっきから見すぎじゃね!? そんなヤだったかよー」
「いや違うぞ! 悪ィ。今日からこの携帯開きゃいつでもお前の笑顔見れんだなァって思ったら、なんつーか不思議な気分に……」
これも本当の気持ちだ。
「あーそっか! んじゃもっと撮ってもいいぞ!? カメラフォルダに保存できるから、いっぱい撮れるんだぞ?」
「そうなのか!?」
「そんな驚く? あ、ちゅーしてるトコ撮るか!?」
「できればお前だけ撮りてェんだけど」
「えー」
「えーって……」
「おれもゾロフォルダあるけどな!」
「なんだそりゃ」
「寝顔とか着替え中とか勉強中とか」
「待てまて。いつの間に」
「裸撮りてェなー」
「ならおれにも撮らせろよ。つーか全部撮っていいか?」
「ぜんぶって?」
「いや、だから、あー……なんでもねェ。もうしまっとく……」
人としてとんでもないことを要求するトコだった……。
「???」
やっぱりルフィが首を捻った。

パク、とゾロはプレゼントされたばかりの携帯電話を閉じ、大事に机の上へ置いた。
すると「じゃあスル?」とルフィが聞くので、くるりと振り返る。
ベッドに座って足をぷらぷらさせながら、じぃとこっちを上目遣いに見やってくるルフィに、「お前がよければ」とゾロはルフィの前に立った。
「おれ脱ぐな!」
実にさわやかにルフィはにっこり笑って、躊躇なくジーパンと下着を脱ぎ捨ててしまう。突然の全裸にゾロはさっと目を逸らすも、いやいや見てもいいんだぞ自分、と凹みそうになる。場所が場所だからだろうか。
――ここはゾロの旧家。
赤の他人の手によって育てられた実家。いい思い出も辛い思い出もすべて詰まった場所。ここはあまりにもゾロに過去の自分を思い出させてしまう。それに当時の彼女なんかも来ていたわけで……(ルフィには言えない)。
しかし2度目ルフィを抱いたのもこの家だったな、と気を取り直し、ゾロはベッドにころんと仰向けに寝転がった裸のルフィに視線を戻した。
「ゾロー?」
やっぱりルフィが当惑気味に首をかしげている。
蛍光灯の下、白くすべらかな肌を晒すルフィ。スレンダーだがほどよく筋肉の乗った、綺麗で瑞々しい体つきをしている。
ゾロはこっそり感嘆しながらやっぱり1枚くらい撮っとくか……とぐらぐらしながらもぐっと耐え、自分も上半身裸になった。
今日はホント、余裕ねェ……。
「お前やっぱ据え膳過ぎ」
「ん?」
「恥ずかしくねェか? んな素っ裸で」
「別に?」
「そう言うと思ったがな」
ギシリ、とベッドを軋ませてゾロはルフィの上に跨った。
その顔の横に手をつき、真上からルフィの幼い顔を見つめる。
ぱち、ぱち、と瞬きしていたルフィが、やや心もとなげに眉を下げた。
「ゾロ、なんか恐い顔してる」
「そうか?」
「やっぱ、勝手に携帯買ったの気に入らな……っぅん!?」
言い終わらない内に口を塞ぐ。ルフィの目がさらに見開かれた。
そう言えば、とルフィは思い起こす。さっき「乱暴にしたらごめん」と言われたばかりだった。自分はすぐ都合の悪いことは忘れてしまうようだ。
早急に胸を撫で回されてその中心を転がされるたび、びくんと体が跳ねた。外気に晒されっぱなしでつんと立ち上がっていたらしい。
「んっ、んっ」
キスされたままなので熱を逃がすこともできなくて。ゾロの指先が片方の小さな乳首をきゅっきゅと摘まみながらも、空いた掌が腹の方へするするとすべっていった。
ハァと息を吐いたら待ってましたとばかり舌が潜り込んでルフィの舌を追ってくるので、敏感な胸の飾りを刺激されるたび、ルフィは思わずその舌を吸った。
「ン、はム! んん〜〜っ」
とうとう下肢に触れられルフィはゾロの肩をバシバシ叩いた。そうすればきっとゾロは止まってくれるはずだから……。
と、期待したのは甘かった。
まだ勃起しきっていないルフィのペニスをゾロがリズミカルに扱いてくる。しかも、いつものいたわるような手つきじゃなくて、自分勝手にただ上下に擦るだけのもので。
「……ゾッ、ぷあっ。……ゾロいってェ! やめ…っ、あ!」
首を振ってどうにか唇を解いて、そして窮状を訴えてみたのだ。けれどもまた口を吸われ、有無を言わせてもらえない。
性急な愛撫が苦手だったりするルフィなので、ナニは痛いし、乳首もくりくりされすぎて痛いし、角度を何度も変えては擦り付けるようなくちづけも苦しいし。もうどうしていいのやら、頭の中は大パニックに陥った。
せめてもと背中をドンドン叩いてみるけれど首を振っても足をじたばたしてみても、ぜんぜん取り合ってもらえないことにルフィは痛みより悲しさがこみ上げてきて、泣くかと思う。
「ふ、うぅ……」
いつだったかルフィの様子に敏感に気づいて「今夜はやめよう」とまで言ってくれたゾロだったのに……。
でもゾロが気づかないはずないのだ。ルフィは思い至った。
じゃあ気づかない振り……? なんで?
「ん、イタ……ッ。なぁ……ゾロ、そんなにしたら、痛ェよ?」
今度は激しく首筋を啄ばんでくる男を押しのけようと手を突っ張ってみるも、全然びくともしない。けれどもルフィは、ここはぐっと耐えてみることにしたのだ。
本気のゾロ、おれまだ見てねェんだなァ……と不意に気づいたから。
嵐のようなゾロも見てみたい。感じてみたい。
ルフィはぎゅっと目を瞑ってシーツをきつく握った。痛いのくらい、男なんだから耐えられる。
いつものゾロならルフィが抱きついてこないだけでも心配して中断しただろうけど、多分今は大丈夫だと思うから。
首筋や鎖骨や、胸のあちこちにゾロが唇を這わせるたびチクン、チクッと痛みが走った。こういうとき、いつも後から見ると赤い痕が残っていてルフィは毎度「うひょー」と驚いている。なかなか慣れないのだ。
ゾロの唇と舌は再びルフィの胸の色付きをすっぽり口に含んでしまって、ちゅうっと吸い付きながら舌先でつるつるした突起を舐め取ってきた。
「ぁんっ、んーっ!」
こんなに強い刺激は知らない。痛みなのか快感なのか、どっちつかずの感情に意識が遠退いたり戻ってきたり。
尚もルフィの証を握ったままのゾロの右手は先端から涙を流し始めたルフィの愛汁を親指に絡めて、ピンク色したカリの周りをくりくり撫でまわした。
「や、ぁ、ゾロ……また、おれっ」
イきたいのかそうでないのか、正直よくわからなかったのだけれど。高まる射精感は恐らく嘘ではない。
が、不意にゾロの右手が離れてルフィはほったらかしにされた。
「ふえ……?」
無言のゾロが体を起こし、ルフィの両足を左右に大きく割る。
明るい部屋に、丸出し状態。
何をとは言わずもがなルフィの震えるペニスや、今はまだ硬く口を閉ざした桃色の蕾が。
それでもやっぱり羞恥心の薄いルフィなので、見られるのは一向に構わなかったのだけれど、イク手前で寸止めされてはついついゾロを恨みがましく睨んでしまうというもので。
「いきなり入れたい、とか?」
精一杯の意地悪を言ってみたのだった。
さすがに驚いたのか、ゾロがやっとルフィを見た。そう言えば意識して視線を外されていたように思う。
「正直に、言っていいか?」
「い、いいぞ」
言われたらおしまいな勘が働いたけれどもルフィは先を促した。
「このままぶちこんで、ヒーヒー泣かせてみてェ」
「!」
ルフィは心の中だけで「ギャ――ッ」と叫んだ。
ゾロが、おれの彼氏のゾロが、そんないやらしい台詞を吐くなんて。よもや想像もしてなかったからだ。
「ゾロえろい!!」
「……知ってる」
「そんでひっでぇ!!」
「だよな……」
「でもいいぞ」
「あ?」
「さっき謝ってくれたじゃん。もう覚悟はできた!」
「……ホントかよ。本領発揮していいのか?」
「おう、い、いいぞ」
「顔、こわばってますけど」
「うぐっ」
こんにゃろそこはつっこむなよ!! 下つっこめよ!(おれうまい!)
「ならお言葉に甘えて」
とゾロが肯定してしまったので、ルフィは本当に覚悟を決めなければならなくなった。


潤滑剤代わりの軟膏を後孔に塗りたくられ、ルフィはひんやりしたソレにぶるっと肩を震わせる。
こうすればちょっとは痛みが和らぐのだそうだ。
ゾロはさっきからかちんこちんに緊張したルフィの裸体を眺めながら、本日何度目になるか、感嘆のため息をかみ殺しながら見惚れ切っていた。
真っ赤な顔でぎゅっと目を瞑って、下唇を噛み締めて、白い胸をドキドキさせてあられもなく足を大きく開いている様は、かなりゾロを興奮させた。
ちっちゃな蕾につれつれと軟膏を擦り込みながら、ときたまピンと反り返ったルフィの肉棒を舐め上げたり胸にキスしたり。緊張を解したいからではなくて、ただ衝動に任せているだけなのが我ながら貪欲である。
それから両手で腰を持ち上げて固定して、ゾロはようやくズボンの前を寛げ、すでに臨戦態勢に入りまくっている男根を取り出した。
「ルフィ」
そしていつもならルフィの気がそれているうちに入れてしまうものを、わざとこちらを向かせて。
「……ん?」
「このまま入れるぞ、これ」
己のペニスをルフィの股間に擦りつけながら、少し前後に腰を振って逸る気持ちを伝えようとする。
今いちばん敏感なところを擦られてルフィは思わず甘ったるい声を上げながらも、伏目がちな目をゾロに送って、コクンと頷いた。
半拍おいて、ゾロの先端がルフィのソコへ宛がわれる。
それからゾロはぐっとルフィの腰を引き寄せ、亀頭部分を一気に埋めた。
「ゾロ……っ!! ん、ハッ……ちょ、っと……痛ェ!」
「すまん」
「ん〜〜っ! ゾロの、おっき、ぃ……っ」
「お、お前な。こういうときにそういうこと言うなよ。身の為にならねェぞ」
「?」
「わかるわけねェか……」
さらにぐうっと奥まで突き上げ今まで抱いた中では最短時間で、自身をルフィの中へ沈めたのだった。
「イ…ッ! てェ――!! ゾロっ、ゾロ……っ」
ルフィが必死に奥歯を噛み締めている。そうとう痛いのだろうに、涙も見せないでただただ耐えているのだ。
その表情に泣かれているときよりよっぽど、ゾロは理性を取り戻してしまった。
「やっぱ、お前にはまだムリだよな」
「なに、が?」
「……とりあえずいっぺんイクぞ」
「うん。…?」
急に大きく揺すぶられてルフィはまたぎゅっと目を瞑った。
いっそう足を大きく開かされ、ゾロの長大な肉棒の先端から根元まで、繰り返し抜き差しされているのを感じる。
もっと激しくされるのかと思ったが案外ゾロは緩慢な動作でルフィのいちばん気持ちいい所を擦ってくれて、ルフィはあっという間に顔を真っ赤にして(ずっと赤かったけど)無意識にゾロを締めつけた。
「……ッ」
「ふあっん、あっ、あぁっ……! ゾロ、ん、ぞろっ」
自分の尻の横にあったゾロのヒザを、たまらずぎゅっと握る。
「ルフィ……お前、やっぱ1年前よかずっと可愛い」
「ん、やだ、きつ……!」
イイところばかり確実に突かれてルフィの理性はあっさりぶっ飛んだ。
恥ずかしいくらい高い声を上げて、背をしならせて。
「お前のココのがよっぽどキツイぜ」
大きくグラインドして示唆すればルフィがぷるぷる頭を振った。
ゾロはこのときのルフィの痴態が、実はこっそり大好きだったりする。
気持ちよさそうにでもいっぱいいっぱいの顔をして、なめらかな胸をせわしなく喘がせ、無意識に腰を振ってくる。普段からは想像もつかないような乱れたルフィが見られるのは、ゾロだけの特権だから。
「んぁっ、アあ、あ……っ、ゾロおれ、もう出る、かも……っ」
「あぁおれも出す」
一気に追い上げを掛けたらルフィが触れられてもいないのに自分の腹の上に爆ぜ、ゾロも射精の寸前で抜き取ると同じくルフィの腹に吐精した。

そんなこんなで、第1ラウンド終了。カーン。


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