[番外編]

□コンビニ(番外2)
1ページ/1ページ


初夏の陽気はすがすがしく。
風で煽られる麦わら帽子を片手で押さえながら、ルフィがうひゃうひゃ笑って必死に昨日起こった大事件とやらをゾロにまくし立てている。
一応、デート途中である。
二人はいつもの海岸線に車を止め、浜に下りて並んで砂の上に腰を下ろしていた。
「ほいでな! ウソップがな!?」
あーでこーで、そしたらカヤが、とか、大きな口を開けて笑ったと思ったら、ゾロの肩をバシバシ叩いて大ウケ。
何がそんなにツボなのかは、謎……。←酷
「痛ぇんだが」
「んでなー!」
しかしまだまだ話は続くようだ。
ルフィはゾロが聞いてようがいまいがどうでもいいらしいので、それならばとルフィの楽しそうな顔ばかり観察することにした。
頬杖を着いて、覗き込むように、まじまじと。
ルフィの長い前髪がその笑った目尻にかかり、白いほっぺたは幾分か紅潮していて、左頬の傷まで笑っているようだ。
たまに鼻の下をこする仕草は彼の癖だろうか……?
笑うルフィは万人を元気にすると、病み上がりのゾロはそう臆面もなく思っていた。

「ふぃ〜疲れた……」
喋り疲れたルフィがやっと少し大人しくなった。
そしてパチパチ大きな目が瞬きして、ゾロを見上げ、ニコッ。
あー。その顔、すげぇ可愛い……。
ゾロはぼんやり見惚れていたのに、つい、また喋り始めた唇にちゅっとキスしてしまった。
「あっ?」
ビックリ顔のルフィに「悪ィしちまった」とすぐに詫びればきゅーっとルフィの眉根が不満そうに寄せられ、ゾロは逆に驚く。
いつもなら怒んねェのに……。
「ゾロってさー、なんでいっつも、おれが喋ってるとちゅうすんの?」
「……可愛いから、つい」
「ズルイ」
「すまん……」
「ゾロみたいなカッコいいヤツにそんな風にちゅうされて、そやって謝られたら、女の子はみんな許しちまうぞ! ぜってー他のヤツにすんなよ!?」
「おう……」

いやそもそも、ルフィ以外にキスしねェし。とゾロは思ったが、ぷんぷん怒るルフィが可愛すぎて実際の話し、キスしたいのを我慢するのに必死でそれどころじゃなかった。



(END)

改めて恥ずかしい人達ですいません;

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ