[38話〜連載中]

□42話
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ゾロが風呂から上がり、そーっと部屋のドアを開けて中を覗くと、ルフィがゾロのプレゼントした真新しい布団をぴかぴかのフローリングに敷き、その上にうつ伏せになって両手足をパタパタさせていた。よく見ると、クロールの真似事をしているみたいだ。
「泳げねェクセにクロール……」
呟くと、ゾロに気付いたルフィがピタリと止まって(クロールの体勢で)こちらを向いた。
「ゾロ! おかえり!」
「可愛い……」
「ん?」
「独り言だ」
それからルフィが布団の上でちょこんと正座する。まるで初夜に旦那を待ってる新妻のように……いやいや我ながら発想が貧困である。
「ただいま。起きてたな」
そーっとドアを開けたのは寝ているところを起こしたらまずいと思ったからで。
「寝るわけねェじゃん」
さも当然、という顔でルフィが目を瞬く。
そしてニコッと笑うとゾロに来い来い、と手招きした。
「寝心地いいぞ! ゾロも寝てみろよ!!」
「あぁ」
本当は下見をした時に自分で寝転んだりして確かめたので知っているが、楽しそうなルフィがゾロは嬉しいので。
ゴロン、と仰向けに寝転がったルフィの隣へ添うようにゾロも横になると、片肘を着き、ルフィを上から覗きこんだ。
「おれが風呂入ってる間、何考えてた?」
「ゾロに何しようかなーって考えてた」
「な、何ってなんだよ」
ちょっとビビる。ルフィが真剣に考えるとろくなことがない。←失礼
「ゾロは見たいって言ったじゃんか。そんでおれの視線に感じて欲しいって……」
「覚えてたのか」
「うん意味わからん」
「考えて成果無し、で安心したよ」
「なんで安心!? おれ期待されてねェんだな〜」
「してるぞ。めちゃくちゃ期待してるに決まってんだろうが」
「ホントか……?」
「やっとルフィの体見られるんだぜ、期待しないはずねェ」
「期待されても良くはなってねェからな……ガッカリすんなよ?」
「もうルフィは最上だからいいんだ」
「??」
おれにとってはその日その日のルフィが最上だ。これ以上があったら身が持たない。いやすでに持ってねェんだけど……。
「あ、プレゼント開けたのか、うちの親からの」
包装紙と箱がビリビリになってルフィのリュックの周りに散乱していたが(ルフィらしいと諦める)、枕元にはちょこんと真新しい目覚まし時計が置かれていた。
赤くてまん丸い、可愛らしい作りのそれは母親こだわりの逸品らしいが、何を仕込んであるやら不安だ……(仕込んである前提)。
「うん! 目覚まし時計だった!」
「ガキっぽいよな、目覚まし時計なんてよ。どうせなら腕時計にすりゃ良かったのに……何考えてんだか」
「なんで? これちょっとスゲーんだぞ」
「は? こんなのがか?」
「こんなの言うな!!」
「悪ィ……」
「明日の朝のお楽しみだ」
「悪い予感しかしねェ……。どうせおれの声が吹き込んであるとかそんなんだろう」
「なんで解ったんだ!? おれ明日から毎朝ゾロの声で起きるんだ〜」
想像したらやっべー!とルフィが布団の上でジタバタした。ゾロの母ちゃん解ってんな〜とか賞賛しながら。
「つーかいつの間に録ってたんだ」
「おはようくらい毎朝言うじゃん。おれんことも喋ってんだろ?」
「……喋ってる。スッゲーたまにだけど聞かれるまま惚気けたりなんかも……」
「だろうなァあれは〜。うひゃひゃひゃ! 照れるなァ〜〜」
あれは……? 照れる?? 一体おれは何を喋ったんだ……と気にならなくもないけど知らぬが仏ということわざもある。ルフィが寝たらこっそりアラーム切っとこうそうしよう、おれは聞きたくねェ……。
「それよかルフィ、唐突で悪ィんだが」
「ん?」
「パジャマ、脱がしていいか?」
こっちが最重要事項だろう。目覚まし時計なんかどうでもいい。←酷
「へ、あっ、うん!」
さっとルフィの顔に緊張が走った。
けどもう脱がすくらいは躊躇なんかしない。
ゾロは片手だけでルフィのパジャマのボタンを上からゆっくり、一つ一つ外していく。
ルフィはスタンバイOKらしいけど様子を見ながら、でないとどんなタイミングで怖がらせてしまうか解らない。でもそんなゾロの心配など杞憂だというようにルフィがカラッと、
「そういやおれ前から思ってたんだけどよー、ゾロって手先器用だよな?」
とか自分を脱がす手元を目で追いながら聞いてきた。
「そうか? 自分じゃ考えたこともねェ」
「クリスマスにおれがサンタの格好してさ、結び目ほどけなくなったとき簡単にほどいてくれたじゃん」
「そんな前のこと憶えてんのか」
「ゾロは忘れてたんか?」
「まさか、あんな拷問忘れるわけねェ」
ふと思い出して手が止まった。
「拷問……」
「あん時もこうやって脱がしちまいたかったけど、我慢した」
「え、マジで!?」
あぁおれの理性を褒めろ、と答えたらいきなりチューしたクセにと返されて何も言えなくなったので(墓穴)この件は強制終了とする。
「つーか意外と細かいこと覚えてんだなルフィは……」
「おれにはデッケーことだから覚えてんだ」
「……すみません」
やっぱり謝る羽目になる。
「2回目のチューだったな〜。おれドキドキしたなァ〜」
「とりあえず今はこっちにドキドキしねェ?」
「あ……おれもごめん」
「お互い様ってことで」
「うん! ありがと!」
「礼はいらん」
むしろまだまだ謝らなきゃならないのはおれの方になるかもしれないから。
ゾロは全部のボタンを外し終えると、ルフィのパジャマの前をそっと開く。
すると白い胸やお腹があらわになって、それはとても瑞々しく、まだ全身を見たわけでもないゾロの下半身をいきなりダイレクトに刺激してくれた。
「おかしいな……」
心の声がつい漏れ出る。想定外なことが起こり始めた気がする。
「ゾロ? な、何が?」
「いやなんでもねェ……」
気のせい気のせい……落ち着けおれ。
「?」
ルフィの顔が少し不安で曇った。多分、いや絶対、ゾロが予想もしない斜め上のことを考えてるに決まっている。ということまでは解るようになっておれ偉い…と自画自賛するも、その中身までは予想できないのだからまだまだだ。
パジャマの上も下も脱がせて、最後にパンツも。
するととうとう全裸ルフィの出来上がりなわけで、ひとまずゾロは上から下まで順に眺めていって、なんと雷に撃たれたようなショックを受けてしまった。
「う、嘘だろ……」
過去最短で息子が目覚めたのだ。一目見ただけなのに。
もったいないからちょっとずつちょっとずつ抱こうと思ってたのにこれはヤベェ……。
「ゾ、ゾロ? 何日も経ったからおれつまんなくなっちゃった?」
そんな超誤解なことを考えてたようだ。アホ言うな。
「実はな、ルフィ」
「う、うん? つまんなかったらおれ頑張るから……」
「ルフィの体のことは隅々まで忘れてなかったんだけどよ」
当然ながら。
「え!? ちょ、話が違うぞ!?」
さも意外というようにルフィがでっかい目をさらにでっかくした。
「けどこりゃなんつーか……記憶以上だったんだ。久々に見たら二乗になったっつーかめちゃくちゃクルっつーか既にキタっつーか……もうギンギンだぜ、お前やベェぞ。今の内に逃げた方がいいかもしれねェ……」
「はー!? 逃げるぅ!? なんでおれが逃げなきゃなんねェんだよ! 大成功ってことじゃんか、ヒャッホーイ♪」
ルフィがお布団の上でバンザーイした。全裸で。
白くて柔らかそうな二の腕の裏とか、ツルツルの脇の下にまで欲情しているゾロのオスの眼など気付きもしないで。もうホント、なんとかしてもらいたい(無理)。
「ありがとう……ルフィ」
「ん? なんのありがとう? 今日それ言うのはおれだろ誕生日なんだから」
「そうだけどなんでもだ」
自分でもよく解らないけれど、ルフィの全てに感謝。
結局は充分に眺める余裕もなくゾロはそのつやぷる唇をさっそく頂いた。
ハッとして抱きついてきた体を抱き潰す勢いで抱き返し、キスを貪る。
まだ舌は入れないまでも何度となく角度を変え、その柔らかい唇に強く己のを擦りつけて。
やがてもっと深いキスを仕掛けたくなるけれど急ぎ過ぎて戸惑わせたくないから、ゾロは頬やおでこや首筋にいくつもキスの雨を降らせて自分を誤魔化し、布団とルフィの間に手を滑らせるとその背中を何度も撫で回した。
あーすべすべ……気持ちいい……極楽。
「はっ、ぞろ……っ」
「布団ふかふかでこりゃいいや」
ルフィを下敷きにしていてもどこだって触りまくれる。
「ふとん?」
「どこもかしこも気持ちいいなァ、ルフィは」
「ほ、ほんとか? もう飽きねェ?」
「飽きたことねェけど」
「……嘘だもん」
「嘘じゃねェけど……」
これか、とゾロははたと気付いた。これが諸悪の根源か。飽きられたと誤解して、エッチ禁なんてはた迷惑言い出したんだな……?
いやけど、なんでまた。
ルフィは思い込んだら一直線、どうせ体で実感するまで納得しないだろうと、この件を掘り下げるのを今はやめることにした。
それより大事なのはこれからルフィを抱くこと。
飽きることなど一生ないと、今後証明していけばいいだけの話だ。
「おれは今までのおれじゃねェからな!? たぶん……」
「あぁ解った。じゃあ飽きる日は来ねェな?」
「おう来ねェ!! ように頑張る!!」
「おれも飽きられねェように努力する」
「飽きるわけねェじゃん、おれがゾロに」
それはおれもそうだってなんで解んねェかなァ……(ため息)。
理不尽なんだよ全くコイツは、いつだって。
けどまぁそんなとこが可愛くてたまらないのだから、出逢った頃から変わらずに。
「スゲー自信だな、ルフィ」
「当たり前だ。だっておれはゾロの体もエッチも大好きなんだから」
「……っ」
出たよ、必殺不意打ちカウンター!
おれはコイツに何度悩殺されりゃいいんだ!?
ゾロはハァと欲情の熱を吐き出し、それでも抑えきれなくて勢いをつけ上体を起こすと、びっくり顔のルフィを無視して細い足を開かせ、その間に腰を据えた。
それからかわいいタマタマもその下のピンクの窄まりも、10日ぶりにやっと拝むことが出来て……。
「ゾロ?」
戸惑うルフィも丸無視すると、ゾロはたまらず朱いタマにぱくんと喰いついた。
「ぎゃー!」とルフィが喚く。親に聞こえないといいけど。
しかしそんな理性はゾロを制約しない、右手でまだ大人しいルフィのサオを握りしめ、やわく扱く。キツくすると痛がるからと優しく優しくすることは忘れない……。
「あん、あっ……待っ、……っ」
袋の裏をちゅっちゅするとルフィの太ももがぷるぷる快感に震えるのが、めちゃめちゃ可愛い。
「はぁっ、ゾロっ、おれも……あっ!」
とんがらせた舌先でつんつんと蕾を突っついたらさすがに脳天にげんこつを喰らい、まぁ我慢してくれた方かなァとか思いながら渋々と顔を上げた。
「何か?」
「何かじゃねェよっ! このままのおれじゃねェつったろ!!」
「あぁ……そんで?」
「おれも脱がーす!!」
「あーはいはい」
「渋々顔ヤメろ」
「ごめん」
その辺は正直者でして。
よろしくお願いします、とペコリすると、ルフィもひょこっと体を起こして喜色満面、ゾロのパジャマを脱がしてきた。
その少々荒い手つきにイテェイテェと顔をしかめながらも我慢してやって、パジャマのズボンを下着ごと剥こうとしたルフィの手が「ん?」と止まった。
「ありり?」
「……ごめん、ルフィ。あのな、」
ぐいぐい、ぐいぐい!
「あれ!? パンツが下りねェ!!」
「だから! 引っかかってんだって!!」
「え!? 何が!?」
「そりゃあおれのナニがだ」
「え……ああ!?!」
どうやらとっくに勃起中だとは思いもしなかったようなのだ。普通解りそうなもんだが、ルフィだからなァ……(遠い目)。
カーッとルフィの顔が真っ赤になった。クッソ可愛い。赤面したままきゅっと口を結んで、じいいっとゾロの股間を見つめて来て。
「ガン見やめろ……。ルフィの裸を一目見たときからこんなだよ……」
「やっぱゾロはデケーなァ」
言って何をするのかと思えば、パジャマのもっこりしている部分を両手でぺたりとタッチして来たのだ。
「ふお!? そ、そんなに感心することか? もういいよ後で自分で脱ぐし……つーか揉むな」
「硬ってェ〜〜」
「手を離してください」
懇願。
規格外は自覚していてもそれを自慢に思ったことはない。
むしろコレでルフィを泣かせた最初の頃のつらい思い出のほうが強い……。
今ではゾロのを全部受け入れて悦んでくれるのだから、やっぱ慣れたなァと……以前そう言ったような気がする。
「ほーい。でもおれゾロよりデカイの見たことねェんだもん、感心すんだろ? ……あ! 勃ってんの自分とゾロのしか見たことねェんだから当たり前か!」
「それ聞いて心底安心したぜ」
怖ェ怖ェ。無意識に浮気しかねないから怖い。とか言ったら絶対ルフィは「それはゾロだ!」って言うだろうけども(この誤解は一体いつ解けるんだ??)。
「おれもペロペロしたいのにィ」
「そんなことされたら秒殺だからやめてくれ!」
「えー!?」
「確かにルフィは今までのルフィじゃねェよ。ちゃんっと成長してる、うん」
秒速でだけどな!(てのは内緒)
「マジで!?」と顔をキラキラさせるルフィにゾロはコクコクと何度もうなずいて、ルフィのご機嫌をとることに成功し、なんとか自分ペースに戻したのだった。
しかしこのあとゾロは前言撤回しなきゃならない事態に遭遇することになる……。


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