ハートの海賊団


□告白diary
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●月¶日
やっと落ちついて書けるようになった。日記を読み返して気付いた。おれはどうやらナナシに惚れていたらしい。
第三者目線?って言うのか?改めて読んで、考えてみたら納得したっつーか思い至ったっつーか、あァそのあれだんとえとダメだまとまんねェまだ落ち着けてねェ!
…気づいたら気づいたでこれって結構ヤバい。
明日はナナシと甲板掃除だったはず。………普通にできるだろうか心配だ。

 

●月☆日

ペンギンにバレた。






●月∞日

ペンギンに『告白しないのか?』ってひやかされた。チャンスがねェって言ったら『ふーん』ってなんだよ。何まだ何か言いたそうにこっち見んだよ。





●月¥日

船長にもバレた。







●月Θ日

あれから毎日二人がおれをひやかす。そんなにおれのフラれる瞬間が来てほしいのか。見たいのか。
つぅか今日船長おれの気持ち知ったうえでナナシにベタついてましたね?わざとですか?挑発ですか?船長じゃなかったら後ろから海に突き落としてるところだ。


 
●月⊥日

今日は危うくナナシに日記を見られるところだった。
危ない危ない。
船長、どうせなら掃除の時間ではなくナナシと二人きりになる時間を下さい。
 
 


●月÷日

やっとナナシと二人きりになれた。意を決して告白しようとしたらタイミング悪くベポが来た。
チクショウ…。




●月≧日

ナナシを見てるだけでヤベェ。心臓爆発しそう。これってかなり末期じゃね?
たった一言伝えるだけだろってペンギンに言われたけど…すすすすって何で文字書くだけで動揺してんだよ!
…………はぁ〜『好き』って二文字も簡単に言えねェなんてダメだなァおれ。トホホ…。

 

●月o日

また船長ナナシにベタついてるし。でもおやつでナナシを船長から離すことに成功した。ベポまで釣られたが船長よりはだいぶ、いや、全然マシだ。




●月#日

ナナシ!!好きだ!!
…って日記で告白してどーすんだよおれ!!
一人で日記に書いて突っ込んでって何書いてんだヤバい〇&#%|!?!…(ここから先は書きなぐられていて読めない)



●月∫日

船長が『俺が貰うぞ』宣言しやがった。
おれ船長に勝ち目ねェよ。
焦って行こうとしたらペンギンに『落ち着いてやらなきゃ実らんぞ』って言われた。助言を求めたら『当たって砕けろ』だと!?砕けたら意味無いだろ!!



●月●日

よし、決めた!!
明日告る!!
船長なんかに負けてたまるくぁああああああ!!














「ふぅ…やっと告白する気になったか。」
 
「予定より早かったな。」
 
「船長が煽ったからだろ。」


 机の上に乱雑に置かれた日記を覗きこみながら、ペンギンとローがひそひそと話す。


「フフ…そうでもしなきゃアイツは決心しないだろ?日記を書かせて正解だったな。」

「あぁ、物事を整理せず思ったままに行動にでるシャチは毎度毎度玉砕していたからなぁ…。」


 これで長年恋愛下手なシャチは報われるだろう。それまでの行程で色々やったのはまぁ、アレだ。協力者も楽しみたいだろ?


「さて…今回は上手くいった祝いとしてシャチには船内の掃除でもやらせるか。」

「それ、祝いでも何でもないんじゃ…。」

「『船長なんか』って台詞がなければそのまま二人きりの時間をあげてたんだがなァ。………告白が終わったら仕事伝えておけよ。」


 俺は部屋に戻る。と、ローは日記を片手に、ゆったりとした動作でシャチの部屋から出ていった。その様子を見送ったペンギンは苦笑をこぼす。


「さて、オレも戻るか。」


 今夜は祝い酒だな。


 そう呟くとペンギンもシャチの部屋から出ていった。


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