ハートの海賊団


□モーニングコール
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〜我らの船に住まう悪魔の起こし方〜


1.ノックをして呼び掛ける。
(ごく稀に起きている。この日は悪魔の部屋に入らずに済むため、超幸運。)




コンコンッ



「船長ー?」




シーン…




 チッ。今日もいかなきゃダメか。





2.静かに戸を開ける。



ガチャッ…



 因みに、この時に起こしてしまうと開けて早々にバラされるので慎重に。










3.愛用の長剣を船長からできるだけ離す。


 そうでないととっても危険。





4.オマケ。船長の顔を見る。


 唯一の癒しの時間!!というか至福の一時。船長って綺麗な肌してるなー性格最悪だけど。こうして寝顔見ると普通にカッコいいよね。性格最悪だけど。全く世の中不思議だ。船長ってば顔だけは女の子ウケするのよね。それに色気あるし、足長いし、ルックス抜群だし。ってか寝顔も色気あるってどんだけなんですか船長!!今日の隈もスゴいですよ!!また遅くまで本を読んでいましたね?








5.船長を起こす。


 これがかなり命がけ。本命ここなんだけどかーなーり!!命がけなのだ。


「船長、おはようございます。朝です。」

「………………ん。」

(よっしゃ今日も任務完了!)





 以上。これが皆が教えてくれた船長の起こし方である。
 
 この方法を知る前。私が船長を起こしてくるようにと言われた際、船長はなかなか起きないし寝起きも悪い…と事前に聞いていたので。
 太鼓、シンバル、カスタネット、トランペット、タンバリン、などなど…。
 色んな楽器を装備し、いざ行かん!と向かおうとしたのだが。シャチには命知らずと言われ、ペンギンにはもっと普通の起こし方を…と全力で止められたっけ。
 教えてもらった方法も、最初はめんどくさかったから、その方法をやらず王道に目覚まし時計をセットしてみたんだけど…うん。

 見事解体されたよ。修復不可能なまでに。


 あれ以来、みんなに教えてもらった方法(おまけ付き)で毎日起こしに行っている私。


 ん?何故私が毎日行ってるかって?それはね…。



「「「だってナナシが起こすと船長機嫌いいんだもん。」」」
「…。」


 野郎共がだもんっとか使うなキショイ。(ベポは許す。かわいいから。)
 ッケ!どうせ船長にバラされんの嫌なんだろー。私に厄介な仕事押し付けたいだけなんだろー!!…おっと、そろそろ時間じゃん。はぁ〜…今日もあの悪魔を起こしに行くのか。あんまり遅いと遅ェってバラされるからね。時間通り起こしてもたまにバラされるんだけどね…!!

(低血圧で機嫌悪いから)



そして船長室前。



コンコンッ



「船長おはようございまーす朝ですよー。」





シーン…





 返事がないっ!はい!このパターンはいつもの手順をふまなきゃいけない流れだね!

 意を決して、ナナシは地獄の門(船長室ドア)を開けた。



ガチャ



「"ROOM"」



ズパンッ!!






























 
「…船長、おはようございます。」
「あァー…。」
「朝御飯の時間ですよ。」
「…そうだな。」


…。

 

「…船長、今日は起きていたんですね。もしや完徹ですか?」
「まァな。読みたい書物があったから。」
「そうですかーじゃあ何で私はバラされたんですか?」


 だっておかしいでしょ。船長って低血圧だから寝起き悪くて機嫌が最悪だからその苛立ちを起こしにきた人にぶつけるんならわかるよ?でも今日の船長最初から起きてたじゃん。起きてるのに何故私をバラしたんだ。


「偶然だ。」
「ウソつけ!絶対狙ってやったでしょ!!じゃないと長剣抜刀状態でドアの前にスタンバイなんて無理だからね!?」


 怖かったんだぞドアを開けていきなりズパンって。一瞬故郷のパパンママンのところまで魂とんだから!


「ってか船長。完徹はダメだって前々から言ってるじゃないですか。」
「おれに命令するな。」
「命令じゃないです心配しているんです…あーようやく首繋がった。」


 船長も見てないで手伝ってくれればいいのに。


「…何笑ってんですか?」
「別に。」


 そんなにバラすのが好きかこの鬼畜船長。


「ほら、早くしろ。さっさと飯食いにいくぞ。」
「誰のせいでロスしたと思ってんです?」







 お前との他愛ない会話のために、おれが手をまわしたことは内密。





(ねー誰か船長起こす役割代わってくんない?)
(((無理)))
(Σ即答か!なんでぇー?)
((((そんなことしたら船長に殺されるって…!!))))

end
 

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