NOVEL

□結ンデ開イテ壱
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狐さん『初めまして。』

『こんばんわ』
『いや、朝や昼かもしれないね』
『だけど』

『さぁさぁ 今宵も無礼講!!』

『下劣な者も誰でも巻き込んでしまい』
『宴の場にて落ちぶれてしまうのは?』
『純真無垢故質の悪い 悪虐非道のあの子ですかね?』
「ね?」



+++++++

「お里ちゃん!」

ここは小さな子供達の集まり場。
今、「お里」と呼ばれた子は実に可愛らしい。
5歳ならではの、無垢な表情。流れる黒髪も皆愛らしくて仕方ない。ちなみに本名は「里」だ。

「うん。ちょっと待って!!おうちゃん、行こ。」

今「おうちゃん」と呼ばれた子の名は「扇」。
もう少し小さい頃顔に火傷を背負い、その痕は醜いものとして残っている。
本当は里と並ぶくらい美しい顔をしているが、誰も気づかないのだ。

「えっ!?あの化け物来るの?ちょっとあっち行ってよ。」

さっき「お里ちゃん」を呼んだ子は扇のことを避ける。
1人だけではない。皆避ける。
小さい頃の火傷は前世の行いが悪い、この村ではよく言われているのだ。

「………………」

扇はそんなに言葉を発しない。
もう流れる涙など一生分嗄れてしまったみたいに泣かない。
もうこれは運命なのか……。

「おうちゃん、気にしないで。ごめんね。また今度遊びに来るね!!」

里は扇を呼び自分の家の庭で2人で遊んだ。
里は扇の火傷を気にしていない。
だけれども、次の日に里は隣の街に連れて行かれてしまったのであった。
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