☆巡り逢う翼第1章☆

□第2話 裏切り者
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 許さない…僕だけじゃなく、姉さんや


 …魔王様まで裏切るなんて……


 君のせいで、僕は君を殺さなくちゃいけなくなったんだぞ…?!




……――『裏切り者には"死"を』――……


















――PHASE2 裏切り者――


























レイスは自分の体の各所に出来た傷に、慣れた手つきで応急処置を施していく。

時折、痛みで幼い顔立ちを歪ませる。

「っつ…なんで…」

久しぶりに会った親友は、かつての様な冷めた瞳ではなく、強い情熱を胸に秘めた瞳をしていた。

親友のそんな瞳レイスも見た事がなく……。

友人としてその変化は非常に喜ばしい。

生きる気力を失い冷めきった日々を送られるよりは、必死に生きて足掻いて日々を過ごして欲しいからだ。

だが、今回の様な反抗は想定していなかった。

無論、友――寧ろ親友であるラークと敵対する様な事態も望んでいない。

とはいえ所詮違反は違反、変えようのない事実。

第一魔王に忠実だったラークが、任務違反した理由が理解出来ず、レイスはもどかしさを覚えていた。

そして、先の戦闘時の事を思い返す。
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