★第壱章 番外編&短編集★

□運命〜Intertwine feeling〜第4話
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「さぁ、破滅への序曲を奏でようじゃねぇか……!」



























―PHASE4 Prelude of Ruin―






















「魔王様、ダークは大丈夫なんでしょうか…?」

《この調子でいけば、あと1ヶ月で主な負傷は治るそうだ》

「あと…1ヶ月、ですか……」

レイスは今、城内の医療区画にいる。

そして目の前には、体中傷だらけのラークがいた。

先の戦闘から数時間後に、リーン中佐が遣った先遣隊が到着する。

基地からさほど離れていなかったが、ラークとの戦闘中にデーモンが結界を張り近付けずにいた。

先遣隊が現場の被害を調査していると、研究所跡から少し離れた場所に、ラークは仰向けで倒れていた。

体中に大小様々な切り傷刺し傷があり、土が付着したままの一部の傷は軽い炎症を起こしている。

折れた右腕は血の気を失った様に青ざめ、デーモンに刺されたとみられる左脇腹からは、少し多めの出血をして軍服を濡らしたまま。

あれから2週間経ち、ラークは治療ポットに入っていた。

治療ポットの水には数々の治療成分が含まれ、主に重篤患者に使われている。

ポットに入っているラークは、まるで母親の胎内にいる様に中で浮いていた。

ポットにも当然、酸素は送り込まれており酸欠に陥る事は無い。

胎内と違う所といえば水の成分や、ポットは時間を設定しそれまで目覚めない等があげられる。

レイスは医療系を目指しており、なかでもこういった治療ポットを扱う部所を勉強している。

いわば此処は、辿り着きたい場所でもあった。

カレンも医療系が目標だが、彼女が目指す部所は暗部だった。

ラークが目指すは攻めを担う特務隊隊長で、レイスは"一人くらい、護りに特化した奴がいた方がバランスいい"と考えていた。

「僕がダークの様に、もっと早く力を使えていたら…一緒に任務に就いていたら……」

レイスの表情には、やり場のない悔しさが滲んでいた。
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