うたかたの幸いをこの手に
□深い眠り
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大丈夫
ただ深く眠るだけ
真っ白に還って
また始まる。
海のそこに沈むように
柔らかな泥に埋もれるように
そこは暗くて眩しい追憶。
もし
再開が叶うなら
おはようと言って。
無に帰す力に抗ってでも
深い眠りの中でも
彰奈のこと
想っているから……。
走馬灯のように
駆け巡る思い出。
春も 夏も
秋も 冬も
どの景色にも
きみがいて
まぶたの裏に
焼き付く。
だから、
きっと覚えてるよ。
どんな仕草も表情も
忘れない。
おやすみ
今はもう眠らせて。
そしてもう一度
逢えるように……。