うたかたの幸いをこの手に
□双子と服とテスト事情
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さっきまで伸びてた物の怪が起き出してくくっと笑った。
「おまえ、もしかして学校休んでた昌に出し抜かれるなんて思ってなかったんだろ?」
ニヤニヤしている物の怪に悔しい紛れにデコピンをお見舞いする。
「ふんっ、いつまでも提出物を仕上げないおまえが悪い。
それより友達って誰だろな。
ちょっと頬が赤かったよな?
ひひっ、ブラコンのおまえには辛いなぁ」
なおも面白がる物の怪は俺が一番気にしているところをついた。
「うるさいっ!
俺はブラコンなんかじゃない!
兄弟思いなだけだっ。べ、別に昌が誰と会おうと関係ないやい」
ぶーっとむくれる俺は山積みの提出物に手をつけはじめた。