Loves Melody
□scherzandに集まって
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いつもは音に溢れている教室、それが静まり返っている、放課後のこと
『はーるかっ』
と、後ろからぎゅっと抱きついて聞こえる声。
誰かな?なんて、声を聞けば分かり心が弾む。
「あ、トモちゃん。どうしたの?」
声の差出人に気づき首をかしげながらも笑みをこぼすと
『ねぇねぇ、そろそろ卒業じゃん?』
とトモちゃん。
そう、早乙女学園は一年生。
普通の高校とは違って、学生生活が一年しかありません。
「うん。そうだよ…ね」
今までにはなかった、楽しい学園生活が終わる、。その寂しさから、自然と沈んでしまう声。
そんな私に気付いてか
『もう、ほらほら元気だしなよ!!だからこそ!卒業旅行、というか。
なんか、これからもよろしくって意味を込めて…みたいな感じで一緒に出かけない?』
元気いっぱいに、そう提案をするトモちゃん。
「卒業旅行?」
声と同じようにきょとんとした表情をしていたんでしょうか、、私に。
『そう!卒業旅行♪』
にっこり笑いながら言うトモちゃん。
「それは、あれですか?!
よく、卒業した高校生とか大学生のみなさんが仲の良い友達で集まって、お泊まりしたり遊ぶという?」
つい、思わず机に手をつき、身を乗り出してしまったんですが
『そうそう、そんな感じ』
と笑いながら肯定してくれる。
トモちゃんと旅行…………楽しみです!!
「うん、行きたいかも」
そう返事をすると。
『よっし、決まりっと。
トモちゃんは私の前席の人の椅子に座りながら、
んーでも、どこにしようか?春歌の言うように、ちょっと遠出して泊まるのも良いけど……遊園地行ったりも良いよね』
ふむ…………と顎に手をあてて、早速考えだす。
「遊園地、良いかも……あ、でもライブとかコンサートも楽しいんじゃないかなぁ?」
任せっきりにならないように、意見を出す……のですが。
いかんせん、音楽のことしか思いつかず。それでもと、伝えてみると。
『おぬしは真面目だのぅ〜』
とバシバシと肩を軽く叩きつつ笑いながら
でも、音楽聴きに行くのもいいねっと賛成してくれました。
それじゃ、とりあえず候補でも書いてみようかと。
紙を取り出して、サラサラと候補を書いていく……
【旅行、遊園地、コンサート(ライブ)、買い物………】
色々あるなぁ…………
『うーん。あとは…………』
シャーペンをくるくる回しながら、顔を合わせて楽しそうに話していたのが聞こえたんでしょうか
『な〜に楽しそうに話してるの?俺も混ぜてーっ』
と、思わず歌い出すかのように一十木くん。そして
『本当だぁ〜なんか、盛り上がっていますね、、』
ニコニコとふわふわなミルクティ色の髪を揺らしながら四ノ宮さん。
『いきなり話に入るのは……しかし、俺も気になるのだが。』
と気遣うように聖川様。
三人が、ガラッとドアを開くと入って来ました。そんな様子を見て
『あれ?あんたたち帰ったんじゃなかったっけ??』
と、トモちゃん。
『いや、帰ったんじゃなくて。今日は掃除当番だったからな。』と聖川様。
あ、そっか。と納得する。
そうなのです。
早乙女学園も、一般の学校と違いなくお掃除の当番がまわってくるのです。
「お疲れ様ですっ」
と、声をかけると
『ありがとうハルちゃん。それで?さっきから何で盛り上がってるんですか??』
興味津々な様子で瞳を覗きこんでくる四ノ宮さんにドキドキしながら
「あ、えとですね。実は……」