打楽器

□そういう問題じゃねェー!!
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「団長さんよォ…」
「何?」
「何で此所に居るんですかねェ…此所俺のベッドなんだケド」
俺は溜め息混じりに問いただした。
「だって寝やすいんだもん」
俺はもう一つ溜め息を吐いた。
「野郎二人で寝る程俺のベッドはデカくねェーんだよすっとこどっこい!!」
俺が怒鳴ると団長はにこりと笑って答える。
「俺そんなにデカくないし良いデショ?」
「何が悲しくて野郎なんざと寝ないといけねェーんですかねェ」
少し毒を交えて団長に告げると団長はスゴく意外そうな顔をした。
「阿伏兎にそんな趣味があったなんて…知らなかった…。すぐ着替えてくるから待ってて!!」
「えッ!?オイ、団長!!」
俺の意見は無視して何を勘違いしたのか団長は走り去って行った。
「阿伏兎ー!!コレなら大丈夫デショ!?」
そして戻って来たかと思えばその団長の姿に頭を抱えた。
「団長…なんでチャイナドレスなんか着てんだよ」
すると団長は少し首を傾げた。
「だって阿伏兎が野郎と寝るのイヤって言うから女装してきたんだヨ」
確かに似合ってる。
似合ってるが、そういう問題じゃねェー!!
「ってワケでコレなら一緒に寝れるデショ?」
ニコニコと笑みを浮かべる団長。
俺は何度目か判らない溜め息を吐いた。
「勝手にしろ」
何だかんだ言って俺も団長には甘いなと思う。

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