SSS

□Can you give me a ride?
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万事屋さん、と声をかけられる。銀時はバイクを道路の脇にとめて振り返った。

「あぁ、土方」

少し遠いところで土方が銀時を見ていた。銀時はゴーグルを外した。

「どしたの」

上着を脱いでいた土方は、それを左手にぶらさげていた。上着の裾が地面についている。
土方はぼんやりと銀時を見ていた。いつもより幼い感じがした。

「…って」
「え、なんて?」
「屯所、そこ、乗せて」
「銀さんのバイクに?」
「うん」

土方は子供のようにうなずいた。

「いいよ、こっちおいで」

銀時も親がするみたいに土方を呼んだ。
土方は言われた通り近づいてきて、大人しくバイクの後ろにまたがった。ヘルメットは二人ぶんなかったけれど、何も言わなかった。警察のくせに。

「じゃあ、ゆっくり安全運転でいくかな。ちゃんと銀さんのお腹に手ェ回せよ?」

土方は言うことをきいて、銀時の背中にもたれかかった。銀時は土方の上着を畳んで、それも乗せた。
うすうす感じていたが、やはり血の匂いがした。

「土方、ちょっと遠回りして行くよ」
「…ん」

土方はくぐもった声で返事をした。

「よし、出発進行」

アクセルを踏んで、銀時のバイクは屯所と反対の方向へ走り出した。




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