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□今日の坂田家
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ん、なになに?銀さんの大成功で順風満帆な極楽浄土のプライベートが知りたいって?
よろしい、ならば教えて差し上げよう。

「十四郎ー帰ったぞー」

アパートのドアを開ける。いつも聞こえる、おかえり、は今日はなかった。どこかその辺にいるのかな、買い物にでも行っているのかもしれない。
俺には嫁さんがいて、土方十四郎、じゃないや、坂田十四郎さんという。可愛くて美人でしっかりしてて、もうこれ以上はないって程の自慢の嫁。男です。現在お出かけ中のご様子。

俺は一応、それなりの企業に勤めている。大黒柱ってやつ。嫁さんは近所のお弁当屋さんで、俺がいない昼間にバイト。
お得意の料理でキッチン担当だったはずが、顔がいいからレジに回されたんだって。まあファンが増えたところで、彼の左手薬指にはちゃんと指輪があるから、心配はない。
俺も時々買いに行くことがある。家に帰れば嫁さんのご飯なんていくらでも食えるのに、わざわざ店にまで行ってただレジを打ってもらうのも変な感じ。でも、ちょっと嬉しい。

「買い物かあ」

玄関先にはホワイトボードが置いてあって、これは嫁さんが設置したのだけれど、伝言板になっている。『新八と神楽と買い物です』だって。予想通り。
靴を脱いで、ひっくり返すことなく居間へ。だって玄関の靴をそろえる嫁さんの姿を見るのが好きだから。可愛いよね、あのちまちました作業をする姿。

外したネクタイはソファの上に放って、さあ、今日の晩ごはん選び。

◦豚肉しゃぶしゃぶ(冷たいの) 2pt
◦本日のパスタ(和風ソース) 3pt
◦小エビと枝豆のかき揚げ 3pt
◦例のおいしいキャベツ 2pt
毎度ご利用ありがとうございます

「うーん…」

食事は基本嫁さんの仕事で、台所の横につってあるホワイトボード(ホワイトボードにはまってんのかな、嫁さん…)に本日のお品書きがのっている。俺はそこから料理を選んで、作ってもらう。お店みてえで可愛いだろ、嫁さん発案です。

メニューの横にあるポイントは、いわばお代金みたいなものだ。それが100ポイントになったら、俺がなにかお土産を買って帰ったり、外食に連れていってあげるという約束になっている。
現在76ポイント。嫁さんに頼まれたら、俺はいつでも何でもするけれど、本人が決めたことだから仕方ない。

「よし、俺も決めた」

この前食べた、この「おいしいキャベツ」、これはマストだ。命名は俺。ごま油と塩のかかったキャベツは本当においしかったから。
あとはしゃぶしゃぶとご飯にしてもらおう。その後ビールのアテにかき揚げしてもらって、パスタは明日のお楽しみだ。

「あー腹減ったぞー早く帰ってこーい」

ソファに横になって言ってみても返事はなし。あいつはいつもこんな風に俺を待ってるのかな、ならもう少し早く帰ってきてやろうか。
よし、ならばいつも頑張ってくれる嫁さんに、たまには俺が風呂を洗ってやろう。あいつの嫌いな排水口の掃除とか、頑張ってやろうじゃないか。その後頑張ったご褒美もいただこうじゃないか。

嫁さんのことを考えながら嫁さんのために風呂を洗って嫁さんを待つ。
俺のプライベート、結構充実してるだろ?





評判がよかったら続編いこうかしらと思います…(* ̄ω ̄)

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