☆企画小説☆
□ずっと愛してる
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真っ暗になった部屋に、ほんの少しだけ月の光が差し込んでいた。
もうすぐ日付が変わる…。
一人きりのベッドはどこか物足りなさを感じてしまう。
いつもは隣で眠っている君が、今日は仕事でいなくて…君のいない夜がこんなにも寂しいなんてこと、気付かなかった。
ふと時計を見ると、0時を回った…。
―プルル、プルル、プルル―
携帯電話の着信が部屋に鳴り響く…。
頭もとにある携帯を手に取り、俺は通話ボタンを押した。
『はい』
『ハッピバースデートゥーユー、ハッピバースデートゥーユー、ハッピバースデーディアユチョーン、ハッピバースデートゥーユー』
耳元に流れ出したメロディー。
電話の向こうから聴こえてきたのは、愛しい君の歌声だった。
『ユチョン、お誕生日おめでとう』
『ジュンス…ありがとう。どうしたの? 今日は仕事だったんじゃないの?』
『そうだよ。でもね、一番にユチョンにおめでとうって言いたかったから…』
『一番だよ。ジュンスが一番だった』
『そうでなきゃ困るよ。急いで帰ってきたんだもん!』
『えっ?』
―ピーンポーン―
インターホンが鳴る音がする。
俺はベッドに沈めていた体を起こすと、玄関へと向かう。
ドアをゆっくりと開けると…、
『ユチョン! 誕生日おめでとう』
『ジュンス!』
ドアの前には笑顔で立っている君がいた。
俺は迷わず君の体を抱き寄せる。
『驚いた?』
腕の中で君が小さく問いかけてくる。
『嬉しい。来てくれてありがとう』
『ユチョン…大好きだよ』
『俺も大好きだよ』
抱き締めている腕にグッと力が入る。
君がここにいてくれること…
君が俺の隣にいてくれること…
君が俺に笑顔でいてくれること…
君と一緒にいられることが俺の全てなんだよ。
『ハッピバースデーユチョン』
『ジュンス…サランヘ』
きつく抱いていた腕を緩めると、俺たちはそっと口付けを交わす。
君の唇は柔らかくて、俺の心を満たしてく…。
こんなにも君が愛しくて…。
こんなにも君を必要としてる…。
最高の誕生日プレゼントをありがとう。
君がここにいてくれることが一番の幸せ。
ずっと、ずっと、一緒だよ。
ずっと、ずっと、愛してる…。
Fin.