☆企画小説☆
□もう一度会いたい
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何度も何度も空に向かってお願いをしているんだ。
どうか空に雲ひとつないような快晴にして下さいって…。
もうすぐ七夕…。
僕はもう一度君に会いたくて、雷様のご機嫌を損ねないように毎日空を見上げていた。
ちょうど一年前の七夕の日。
年に一度しか会えないと言われている織姫さまと彦星さま。
そんな日に、生憎の空模様…。
ここ数年…7月7日は毎年雨が降っていて、その度に僕の心はギュッと締め付けられていた。
大好きな人に会えない切なさ…。
僕たちの恋は、まるで二人のようなおとぎ話でできているんじゃないかって錯覚しそうになる。
僕が知っているのは君の名前だけ…。
あとは何も知らない…。
あの日だけの僕たちの恋…。
もう一度君に会いたい…。