☆企画小説☆

□WHITE CHRISTMAS☆
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今日はクリスマスイブ。



俺たちが恋人同士になってから初めて迎える聖なる日。


今までもずっと一緒に過ごしてきたけど、今年は仲間としてではなく、恋人として過ごすことができる。



やっと通じ合った想い…大切にしていきたい。



『ジェジュンヒョン、何をニタニタしてるんですか? 気持ち悪いです』



楽屋でスタイリストさんにメイクをしてもらっていた俺は、自分の世界に入り込んでいたようで、隣で髪をセットしていたチャンミンが見兼ねて素っ気なく言い放ってきた。



『気持ち悪いって…言い過ぎだよ』



『クリスマスイブだからって舞い上がらないで下さいね。ちゃんと仕事して下さいよ』



『わかってるって…』



お灸を据えるように忠告してくるチャンミンの言葉を右から左に流しながら、俺の視線は鏡を通して愛しいお前へと向いていた。



鏡に映るお前の隣には、仲良しのユチョンがいて、楽しそうに笑い合っている。



ただのヤキモチなのかもしれないけど、今日だけはその笑顔を俺だけに向けて欲しいと感じていた。



そんな気持ちに気付くわけもないお前を見つめながら、俺は深く息を吐く。



『ふぅ…はぁ…』


『ニタニタしてたと思ったら、今度はため息ですか? 忙しい人ですね…』


『うるさいなぁ…ため息くらいつかせろよ』


『それはヒョンの勝手ですが、伝染させないようにして下さい』


呆れたように『ふぅ…』と息を漏らしながらも、優しく眉を八の字にして言葉を告げてくる末っ子。


チャンミンはきっと俺の胸中を見抜いてる。


鏡を通してあいつを見ていることも、ユチョンとの姿を見てヤキモチを妬いてることも…。


これがこいつなりの優しさだということも気づいていた。


『もう、ユチョンっ! いい加減返してよぉ〜』


楽しそうにユチョンの名前を呼ぶ声がした。


いつもと何ら変わらない光景のはずなのに、いつもなら気にならない二人の姿なのに、今日は何故か堪えられない。


気がつくと、俺はメイクを放り出して駆け出し、グッとお前の腕を掴むと、楽屋から勢いよく飛び出した。
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