☆企画小説☆
□もう一度会いたい
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あの日…君は僕にこう言った。
『来年の今日、晴れたらまたこの場所で会おう』
離れるのが嫌で、君の手を離さない僕に、なだめるように微笑みながら優しく囁いてくれた。
そして、君はゆっくりと僕の手をほどいていく…。
絡まっていた指が、突然温度を失ってしまう…。
『約束するから…来年の7月7日、晴れたら必ずこの場所で』
それだけ言い残すと、君は僕の前から去って行った。
今まで君と過ごしていた時間が幻だったんじゃないかと感じるくらいに、跡形もなく君の姿は消えてしまったんだ…。
あの時から、僕は一度だって君を忘れたことなんてなかった…。
おかしいのかな…?
だって、あの日出会った君は、僕と同じ男の子。
だけど、僕はそんな君を好きになってしまったんだ。
出会ってすぐに惹かれていた…。
目が離せなくて、君ばかり見つめていた。