その少女、今を生きる
□その少女、名を知る
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私は……とある人間のクローンだ
だが、私は人間ではない
私はヒューマノイドだ
ヒューマノイドとは、簡単にいえば
「人の形をしたもの」を指す
私は……人造人間だ……
私は…………ワタシハ……
作られた、意識のある人形なんだ……
誰か……教えて…………
ワタシノ存在価値ヲ…………
「そこの女ぁ!」
暗い街灯の無い夜道に、学ランを完全に開けてる人間共が立ちふさがる……立ちふさがる?
立ちふさがるの?邪魔をするの?
だったら…………消えて…………
降れ、赤色の綺麗な雨
「炎葬」
そう呟き、立ちふさがる人間共の背後に一瞬にして移動する
振り抜いた私の右手には、一本の槍
直後、人間共の体が炎に包まれる
人間共が炎の中で踊るのを尻目に、私は暗闇へと消えていった