旅の記憶
□第1話 VSミュウ
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「ついにやって来ました……って、ここどこだ?」
オーロラの壁を越え、新天地へとやって来たディケイド達。その場所は、閑散と家が並ぶ緑豊かな田舎町だった
「なんもねえつまらなそうなところだなぁ」
「そうか?空気も美味いし、なかなかいいところやないか」
「ここはマサラタウン。マサラは真っ白始まりの町、だって。派手好きな先輩じゃ理解出来ないのも当然だね」
「おいカメ、お前俺に喧嘩売ってんのか?」
「え、違うの?」
ディケイドはその辺にしておけとモモタロスをなだめ、自分の部屋から持って来ていたカメラでその景色を収める。記念すべき一枚目であるマサラタウンが綺麗に撮れている事を確認し、満足げに首にかけた
「しかし、マサラタウンか……。まさかポケモンの世界に来る事になるとはな」
「なんや?その『ポケモン』言うんは?」
「『ポケットモンスター』と呼ばれるこの世界特有の生き物だ。この世界ではポケモンと人間は深い関わりを持っていて……、」
「ねえねえ!あそこに何か変なのいる!」
聞けよ、というディケイドのぼやきを無視し、リュウタロスが向かった先には、件のポケモンの一種、ナゾノクサがいた。リュウタロスは見た事のない生き物に目を輝かせている
「ははっ。ほれほれ〜」
「なんか雑草っぽくて弱っちそうなやつだなぁ」
リュウタロスに混じってナゾノクサをからかい出すモモタロス。そんな言葉にムッとしたナゾノクサは姿勢を落とす
「あれがポケモンってやつ?」
「ああ、ナゾノクサだな。あいつの得意技の中に“ねむりごな”ってのがあって、怒ったり危険を感じるとその“ねむりごな”をばらまくから注意した方がいいぞ…って遅いか」
「ZZZ...」
その“ねむりごな”を全身くまなく浴びてモモタロスとリュウタロスは仲良く夢の中へ。一方のナゾノクサはやれば出来るんだ、と言っているのだろうか、満足げな表情でその場を離れて行った
「ふたり揃ってなにやってるんだか。どうする?」
「しばらくほっとけ。それよりあれ、見てみろよ」