黒犬と白猫

□秘密なカフェ
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「また来てくださーい♪」


閉店時間が間近の喫茶店『猫の目』から最後のお客が帰っていった。

小狼達は買い出しへ行っているので店にはファイ一人しかいない。
ファイは手際よくテーブルの上のすっかり空になったティーカップとお皿をお盆にのせてカウンターの流し台へと運びだす。


「客はもう居ねーな?」


スポンジに洗剤を付けると同時に店の入り口の方から聞き慣れた声が聞こえてきた。


「黒様ー♪そんな所でどーしたのー?」


どーしたのじゃねぇ!と眉間にシワを寄せ、ドカドカとこちらへ向かって来る黒鋼。


「約束を忘れたとは言わせねーぞ。」


「えー?何のことー?」
ファイはわざとらしくとぼけた顔をして見せる。


「店閉めたら相手しろって言っただろ!」


「ん〜。でもまだ閉店まで時間あるよ〜。」
指された時計を見てみれば確かに六時まであと五分あった。


「んな細けーこと知るか!」

ひょいっと軽々カウンターを飛び越えてファイの背後へ回り込む。

黒鋼は左手をファイの細身な腰へと回し、右手をシャツの中へ忍ばせる。
臍の辺りから上へ滑らせればそれだけでビクッと反応するファイ。


「黒わんこったらー待てが出来ないのー?今お店の鍵かけてくるからちょっと待っててねー。」

そう言って黒鋼の拘束から逃れようとしたが、しがみついてくる力が強すぎて逃れることが出来ない。
離してくれる気なんてまったく無いようだ。

「黒ぽん、すぐ戻ってくるんだから離してよー。」


「嫌だ。」
即答された。

はぁーと溜め息をつくと黒鋼の手が再び動き出した。
臍の辺りをさ迷っていた右手がファイの胸の突起に触れ、きゅっと摘まんだ。


「ひゃッ!?」


素頓狂な声を上げるファイのことなんてお構い無しに行為を続ける黒鋼。
右手をズボンの中へ突っ込むとファイの自身を被うように掴み、厭らしい手付きでゆっくりと揉み始めた。

「んッ…あぁ…やッやめ…」


「止めねーよ。」
ファイのシャツをはだけさせ、透き通るように白い首元へキスを落としていくと、はむっと耳を甘噛みする。


「…ッあ…ン…」


黒鋼は柄にもなく器用に両手を動かす。
変化をつけながらファイの自身を揉み続ければ徐々に芯を持ち、その頭を持ち上げてくる。
もちろんその間も脇腹や胸を弄るのを忘れない。


「ふぁ…ぁン…」


初めは抑えていた声も今は甘く漏れだし、黒鋼を興奮させる材料の一つとなっていた。


「そこ…ばっか……やだッ…」


「ぁあ?ここが良いのか?」
キュッと握ったファイ自身の先端部をクニクニと弄る。


「ぁあン…んはァ…あぅッ」


ファイは襲い来る快感に、もう何が何だか解らなくなっていた。
次から次へと黒鋼から与えられる快感に身を任せ、呼吸を荒くするしかない。


「ほら、見てみろ。こんなになってんじゃねーか。」
ぱっと目の前に突き出された黒鋼の手はファイの先走りの液でグチャグチャに濡れていた。

それを顔にぐっと近づけられる。


「あッ…見せな…ッいで …//」


「ふんッ、てめぇーが出したんだろーが。」

「もッ…やめ…て…ァァん…」
生理的な涙を両目いっぱいに浮かべながら必死に言葉を続ける。

「んァ…小狼君…たち…帰って…きちゃあ!!//」


最後まで聞き終わらないうちに黒鋼はファイのモノを握ったままの手を素早く上下に扱いた。


「お前がさっさとイかなきゃ帰って来ちまうかもな。」


「そ…んな…ンあぁ」

もう限界を向かえているだろうに屈っさずに歯を食い縛って耐えるファイ。


ファイのそんな様子を見た黒鋼はあることを思いつき、ニヤッと笑い口を開いた。


「あ、小僧…。」


「えッ!?」


黒鋼はこのチャンスを逃がさなかった。

驚いたファイが店の入口に気をとられた瞬間手の中のファイのモノをラストスパートとばかりに扱きあげる。


「んア!ぁぁああン!!//」


緊張感が解けた途端、ファイは押し寄せる快感に耐えきれなくなり黒鋼の手の中へ白濁を吐き出した。


喘ぎながら慌てて入口の方へ目をやれば、そこには誰も居なかった。


「はぁ…はぁ…黒様の…バカぁぁ//」


「騙されるのが悪ぃーんだ。」


かくんと倒れ込みそうになるファイの腰を支えながら黒鋼は満足気な顔で答えた。



店内はしんと静まり、はぁはぁとファイの荒い息だけが響いた――。






★…end…★




→おまけ+《後書き》
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