黒犬と白猫
□夜の秘事
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ガチャン――
ファイは後ろ手に自室のドアを閉めると、目の前のベッドへぼふんと倒れ込んだ。
窓からは月明かりが差し込み、ファイの金色の髪をふわりと照らす。
この国へ辿り着いたのは昨日の今頃だった。
この国へ着いた途端に姫の羽の波動を感じ取ったモコナが『めきょっ』となったため、今朝早くから今まで、それぞれ別れて(と言っても桜は小狼といっしょだが…)羽に関する情報を求めて国中を歩き回ったのだ。
体力には少々自信があったファイだったが、丸一日歩き通しというのはさすがに応えたようだ。
髪を掻きあげながら仰向けになれば、さっきまで気付かなかった自分自身の体の変化に気付く。
まったく、とても疲れている筈なのに体は自然と君を求めてしまう。
腰の辺りが ずくんずくんと疼き、すぐにでも自身に触れたい衝動にかられる。
「もぉー黒様のせいなんだから…」
もちろん黒鋼は何も悪くないということは承知の上だ。
このところ頻繁に次元移動をしたり、何かと慌ただしかったため黒鋼と肌を合わせることがめっきり少なくなっていた。
そのため無意識のうちに体が黒鋼を求めてしまったのだろう。
何とか眠ることに集中しようと頭の中で羊を数えたりモコナを数えたり黒鋼を数えてみたりしてみたが、一度疼き出した体をしずめることは出来なかった。
仕方なく、ファイはベルトを外すと下着ごとズボンを引き下ろした。
すっかり脱ぎ捨ててしまえば両足を左右に軽く開き、股の間へと手をのばす。
「んッ……」
自身を軽く握ってみれば久しぶりの感覚に体の奥深くが疼きだす。
「ッん…ンあ…」
空いている方の手で胸の突起を軽く刺激し、きゅっと摘まんでみれば腰をせりあがってくるような快感に顔を歪める。
「ふぁ…あ…ン」
握ったまま上下に擦ってみたり締め付けてみたりすれば腰がカクカクと動いてしまう。
こんなことをしている時でも思い浮かぶのはやはり黒鋼のことで、ファイの脳内では自分が黒鋼に攻められているという設定が既に出来上がっていた。
「あッ…あ…そこぉ…」
もっと、もっと刺激が欲しくて後ろの秘部へと手をのばす。
入口に指をあてがえば、ひくつくソコは黒鋼と交わるとき以外自分で触れる事なんてほとんど無かった。
おそるおそる指を押し進める。
「ひぁあ…ンあ」
ずぷりと指をくわえこんでいき、半分ほどまで中に入ると少し痛みを感じたが構わず根本まで押し込んだ。
自分の指で自分の中を感じるというのはなんとも言えず変な感じがした。
ファイは黒鋼にされる時のことを思い出し、どこが気持ちいいんだっけ?と中をぐにぐにと弄ってみた。
「ふッァ…ぁあ…ゥ」
しばらくあちこちと手を動かしてみたが、いまいち良く分からず、ゆるゆるとした快感しか得ることが出来ない。
やっぱり…黒様じゃなきゃダメだよ…。
「ッあん…くッ黒…さまぁ…」
大好き人の名前を呼びながら淫らに手を動かし続けるファイ。
「なんだ?」
「!?//」
突然の声にファイは慌てて下半身から手を離した。
いつの間に入ってきたのだろうか、ドアの前には黒鋼が立っていた。
「ったく、自慰に夢中で人が入って来たことにも気づかねぇとはな。」
ファイは黒鋼の言葉に自分の顔が熱くなっていくのが分かって口をパクパクさせる。
「い、いつ入ってきたの…!?」
声が震えて上手く話せない。
「大股開いて後ろに指突っ込んだあたりだったか?それより、いい加減股を閉じたらどうだ?」
そう言ってニヤッとする黒鋼。
「!!」
ファイは自分が大股開きのままだと気づき、すぐさま閉じようとした。
「やっぱ開いたままでいい。」
閉じかけた足を黒鋼が掴み再びグイっと割り開いた。
そして閉じられないように自分の体を割り込ませた。
「黒…さ…何す…」
「何じゃねぇー、お前まだイってねーんだろ?イかせてやる。」
ファイは全力で頭を左右に振ったが、液でヌルヌルになった自身を握られ小さな悲鳴をあげる。
「濡れ過ぎだろ…これ。」
先端から流れる液は既に後ろの方まで垂れ流れていた。
ファイは恥ずかしさのあまり両手で顔をおおう。
「これだけ濡れてりゃ問題ねーな、尻こっちに向けろ。」
そう言ってあっという間にファイを四つん這いにさせる。
黒鋼は自身を取り出しファイの秘部へ宛がった。
「え!?あ…ぁああ!!」