CP小説

□君の優しさが
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SASORI SIDE・・・




オレは泣けない




オレは涙が出ない




だから




その代わりに笑った













それは




いつしか




アイツが泣かないように




そんな為になってた












オレは泣けない




涙が出ない




オレは泣けない




アイツの為に




だから












また笑った。




















「旦那。」



明るい声が響く



呆れ顔をしながら



本当はどこかで



心が救われてた



そんな事言わねぇけど







アイツの笑顔が



こんなオレが



「愛しい」と思えたから



その気持ちが



痒くて



でも嬉しいような気もして



また今日もアイツを突っ撥ねながら



心で笑ってた







アイツが泣かないよう



アイツが落ち込まないよう



アイツが笑っててくれるよう



そのためなら



オレも笑ってる











オレが傷つく、なんて



そんなの



アイツの笑顔と天秤にかけりゃ



どうでもいい分類だろう 




















なあ泣くなよ



オレは笑ってる



泣くなよ



どうして泣く?







ただただ黙って零れ落ちる



アイツの涙が



哀しい、と思った。



 
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