text2
□回想録
1ページ/1ページ
幼い頃から好奇心が旺盛だった。
キラキラしたもの、不思議なもの、魅惑的なものを探しては馬車を走らせた。
そんな日々が続き、しだいに国内では飽きたらず、
誰もみたことのない世界一素晴らしいものをみてみたいと感じるようになるのはごく自然なことだ。
最初は、ほんの軽い気持ちだったはずなのに、何かに吸い寄せられるよう海を渡る決意をした。 それが、運命だったのだろう。
誰もしらない、異国の地。
誰もしらない、異国の風景。
誰もしらない、異国の人間。
みるもの全てが、俺の好奇心を刺激する。
港から少し離れた、市場の端っこでゆっくりと異国の空気を吸い込んでみた。
すると、その瞬間、目に飛び込んできたのは白い毛玉…否、ペルシャネコのような少し長い毛だ。
俺の鼻先を掠めたと思った毛玉の正体。 それは、白いクマのぬいぐるみだった。
正しくは、少女が肩車したクマである。
「ボンジュール、マドマーゼル。」
パリジェンヌをも、虜にした微笑みで挨拶をするが返事はない。
「わからないかな、お嬢ちゃん。困ったな〜」
少女は、俯き加減で何か呟いた。
「……ぼっ、僕は男の子です…」
肌は白く、線の細い目の前の君は魅惑的で、可憐な一言でいうならばニンフェットなロリィタそのものだった。
まぁ、これがカナダとの出会いだった。
そして、俺の強烈なアプローチでカナダと付き合うことになり、さらにイギリスとのバトルがあったりと、
様々な障害が現れるわけだけど…… それは、また次回にでもお話するよ。
歴史:カナダは、16世紀半ばからフランスが探検し、1608年ケベックを建設し植民地形成。