主
□そうして彼は「わん」と啼いた
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熱に浮かれた脳が朱を欲する。
喉からもれる息は獣のそれとかわりなく、
高揚した身体のうずきはもう耐え切れないほどで、
獲物を求め視線がさまよう。
先ほどまで金色に輝いていた月が紅く見えた。
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