七転抜刀

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神崎さんが刀を振り上げ、目の前の男を斬った。



いやいやいや!殺すなって言った本人が殺したよ!!!



死体を見るのが嫌なので、俺が斬られた男から目を背けようとした。


が、よく見てみると、男から血は出ていない。



「あれ?」



「言っただろーが、殺さねえって。峰打ちだよ」



そんなことも知らないのか、と言わんばかりに神崎さんは鼻を鳴らした。



そうして、次々とテロリストが倒されていく。




気がつけば、テロリスト全員が床に倒れていた。




「おい、神崎。何で一般人がいんだ?」



刀をしまった日野さんが涼しい目でそう言う。



「いや、それが一般人というか…」


神崎さんはため息をつきながら俺をチラリと見る。


訳の分からない日野さんは、眉をひそめる。



「は?」


「コイツの名前は…」


「村上 時雨です」



神崎さんのセリフに重ねて名乗る。


日野さんは特に驚いたりしない。


おお、この人は驚かないのか。


やっぱり総隊長ともなるとめったに驚かないのかな?

総隊長関係ないけどさ。


もしかしたら、大江さんと神崎さん限定の驚きワードだったとか?


と思ったが、次の瞬間、日野さんは目を剥いて叫んだ。



「………はあああああああ!?お前、村上 時雨!?」



……驚いていたらしい。


まあそんなことより、だ。



何故みんな俺の名前を聞いて驚くんだ。



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