地獄に居る筈のキミへ
□序章
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オレはぼうっと空を見上げていた。
隣りでずっとスニーカー雑誌を読んでいる桜色の髪の彼は何も言わない。
集中していないと地獄に居るだろう彼の兄を思いだして泣いてしまうだろうから。
オレは急に寂しくなって、隣りで真剣に雑誌を読んでいる彼の兄とそっくりな名前を呼んだ。
きっと泣きそうな顔をしていたんだろう。
彼は何も言わずに雑誌を置いてオレの頭をそっと撫でた。
優しい声で囁く。
「泣くな、 俺はずっとココに居る」
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