地獄に居る筈のキミへ
□序章
2ページ/7ページ
あれから何年経っただろう。
オレは相変らず
彼らが頭をしていたマフィアで
殺し屋として働いている。
今は片割れである弟が
オレを側近にしているけど
今も兄の事で魘されている事を
俺はよく知っている。
不安で不安で仕方がないんだって
オレは痛いほど知ってるけど
彼を助けられるのはその兄だけ。
オレは隣りに居て
手を握る事しか出来ないんだ。
「スカイ」
オレは振り向いて
その顔を見つめる。
「キル兄、仕事?」
彼は優しく微笑んだ。
「大ニュースだ、
キレは生きてる」
キル兄の満面の笑みを見てると
どうやらガセではないようだ。
確信してるってそんな顔をしていた。
オレは立ち上がってキル兄に言った。
「どこにいんの?
オレ、迎えに行く」
キル兄は静かに微笑んだ。
「アイツのビルだ」
その瞬間、オレはキレ兄に貰った剣を抱えてキル兄の腕を引っ張っていた。