七日間の奇跡
□唐突な始まり
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12月17日、クリスマスイブの一週間前。
その日が運命の七日間の一日目だった。
………
「遊依ー!起きなさい!遅刻するわよ!」
お母さんの声が家に響く。
私は唸り声をあげながら目を覚ます。カーテンを開けて窓を開ける。冷たい空気が肌をうつ。はだけていたパジャマを直し、クロゼットから制服を出す。冷たい空気を吐く窓を閉めていそいそと私は制服に着替えた。
一階の居間に降りた私をすでにテーブルの前についてニュースを見ていた弟が「おはよ」と声をかけてきた。
「おはよ・・・フアー」
間抜けな大あくびを一回して私もテーブルについた。
朝はトーストとスクランブルエッグだ。チラリと弟の手元を見る。
やっぱりだ!
「朝からコーヒーなんて物好きね」
「そうか?」
弟はニュースを眺めながら答えた。
ニュースからは殺人未遂犯がトラックで以前逃走していることを機械的に喋っている。最後に犯人が見つかった場所はここからそう遠くない。隣りの町だ。