七日間の奇跡

□さようなら(前編)
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12月21日


………

朝・・・6時50分。
私の家に電話がかかって来た。
電話に出たお母さんが二階に駆けて来て私を起こす。
「起きなさい!遊衣!遊衣!」
「ふあ〜ん・・・?にゃあに?」
「とっとと病院に・・・」布団のシーツを掴まれた感覚が伝わる。「行ってこーい!!!」
布団のシーツが勢い良く持ち上げられる、ベッドから転げ落ちた私は頭を撃ってその場でもがく。
「いっ!痛っ!痛っ!」
「ふー。目は覚めた?」
「覚めた・・・かな?」
「まあいいわ。早く行きなさい」
「どこ?」
Where?
「びょーいん!」

その後の私は脱兎の如く着替えを済ませて一階に下りて家を飛び出した。
家を出た途端に誰かとぶつかったのか何かにつまずいたのか、とりあえず私は地面に倒れていた。
「いったぁ〜!」
「悪いけどさ・・・遊衣ちゃん、ちょっと退いてくれるかな?」
私はハッとして自分が何に覆い被さっているのかを確認した。
「よ・・・喜信!?なんで!?」
「えーと・・・事情はあとで話すから、とりあえずお前は退いてやれよ」
「あれ?裕もいる」
私は事態に困惑していた。
私は病院に行こうとしていて、この二人に会って・・・あれ?
私が考えていると私の下から声がした。
「とりあえず・・・のいて・・・?」


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