□目眩
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「きゃあっ」





ふとした瞬間に、前に傾く体







「危ないっ」








来たるべき衝撃に目を瞑ると、焦りの混じった声と力強く支えられる己の体
















「全く、相変わらずだなぁ姐さんは」





「…猩影君!」







普段は本家にはいないであろう彼の姿につららはポカンと瞬きを繰り返す






「あれ?どうしてここに…」





「ああ…つららの姐さんの様子を見に来たんですよ」




そう言って、にこりと笑う猩影に、つららは慌てて顔を背ける





「あ…ま、毎日こんな風になってる訳じゃないのよ!」





顔を赤らめながら弁解をするつららの姿に猩影の頬も緩む









幼い頃からよく自分の面倒をも見てくれた彼女





その優しい笑顔や、温もりに淡い思いを抱き始めたのはいつからであっただろうか








いつの間にか、すっぽりと彼女の体を包み込めるようにまでなった事に嬉しさを感じる







ギュッとつららを支える腕に力を込めると、我に返ったように彼女の頬が染まる










「ちょっ、猩影君!!」






自分を包む暖かさに慌てるが、






…大きくなったわね







いつの間にか逞しい姿になった彼に、ドキリとする










「姐さんは…小さくなりましたね」




「…猩影君が大き過ぎるのよ」




「あはは」







するりと猩影の腕から抜け出したつららは、未だ火照った体を隠すように、くるりと背を向けるも






「ははっ、姐さん顔真っ赤!」





「う、うるさいわねっ」






…バレてた事が恥ずかしい







「ねぇ、こっち向いて下さいよ」




「え…っ」







振り向いた瞬間に頬に感じる温もり







「…助けたお礼は、これでいいですよ」





「っ//」






そう言って笑う彼の顔も赤く染まっていた






















「で、結局何しに来たの」




「ああ、本家に野暮用があったんですよ。」





「…そうだったのね」





「姐さんに(悪い虫が付いていないか確認する為に)会いに来たのも本当ですよ?」






「えっ」





「はい」





終わり














後書き

うーん、なかなかキャラが掴めない…

かつき様、ネタ提供有り難うございました!
 

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