奉還師

□ACT7
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「・・・・・・。」



只今放心状態中です、暫くお待ちください。



「どぅあはっ!?」



此処何処よ!?
ちょーっと放心してる間に!
何よ?私の今の状況?
ええ、拉致られましたよ?
拉致られましたとも。

何で?
そんなの私が知りたいわ!?
云っとくけどうちにお金なんてないんだからね!!



「おい、如何すんだ、この小娘。」
「勿論盾にして、奴に借りを返すんだ!」



直ぐ近くで男達の話し声が聞こえる。

もしかしてあれかな。
この二人ってグレタと城下に行った時に出て来たガラの悪い兄ちゃんズ?



・・・・・・私、ヤバくない?

冷や汗が背中を伝った。

私、もしかしなくても今から拷問の刑ですか!?



「おい、小娘!」
「はいぃぃ!」



怖い、怖い、怖いよぉ!!
私食べても美味しくないんだから!!



「・・・?」



あれ?
あの靄ってもしかして・・・。

お兄さん二人からは見覚えが在るような、ないようなの黒い靄。
私は脅されているのも一瞬忘れて、その靄に手を伸ばした。
奇怪な行動に出た私に目を見開くお兄さんズ。
ぴりっとした静電気のような痛みが右手に走る。
そしてほげーっとそれを見上げた。



「・・・・・・。」



前ほどの嫌悪感はない。
どちらかと云うと今の動作が自然な事のようにも思えて来た。



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