奉還師
□ＡＣＴ１８
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「有利のバカ！大っ嫌い！」
叫んだ勢いのまま飛び出した。
ただただ人気のない所に向かって走る。
だって誰とも会いたくない。
有利の目。
グウェンダルの目。
皆の目。
視線が私を責める。
どうして私がこんな思いしなきゃいけないのっ！？
私は普通の女子高生で、特別運動や勉強が出来る訳でもない。
奉還師とか私にしか見えないなんて云われて持ち上げられて、何かちょっとその気になっちゃったりなんかもしたけど。
私は、私は・・・！
普通の女の子なんだよぅ！！
おばけは怖いし、雷は苦手、Ｇなんて大っ嫌い！
お喋りするのは楽しくて甘いものだ〜い好き。
可愛いもの見つけたらテンション上がるし、イケメンと目が合ったらときめくさ！
私はそんな普通の女の子なんだよ・・・。
壁に両手をついて肩で息をする。
ぽたりと涙が音を立てて落ちた気がした。
何で・・・、何で泣いてんだろ、私。
怖いから？
責められたから？
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