奉還師

□ACT19
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「居た?」
「いえ、こっちには・・・。」
「あっちにも居なかったぞ。」
「こちらも駄目です。」
「一体どこに・・・。」



飛び出して行った紗稀ちゃん。
余りにも帰って来ないから迷子になったんじゃないかと(前科あるし)皆で探してみたものの。
その姿は城中のどこにも見えない。



「か、閣下ぁ。」
「どうした。」
「ほ、報告します!馬に乗った奉還師様らしき方が城外に出て行かれたと・・・。」
「はぁ!?」



紗稀ちゃんが馬に乗って?



「って馬乗れたの?紗稀ちゃん。」
「今問題はそこじゃねぇだろ。」



門番もいたはずなのにあっさり出ていけちゃうのはやっぱりマズいよな。
まぁそれはグウェンダル辺りがきつーくお灸を据えてくれるでしょ。

問題なのは紗稀ちゃんが向かった場所。
眞魔国に詳しいとはいえ地理がある訳じゃなさそうだし。
もし俺達の言葉がきつくて闇雲に飛び出したんだとすれば見つけるのは難しい。
でも・・・。



「行こう。」
「行こうって何処へ行く気だ。」
「還らない想いの場所だよ。」



紗稀ちゃんはそこに向かった気がする。
あれともう一度向き合う為に。



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