奉還師

□ACT4
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「・・・此方です、サキ様。」



そんな、様なんて付けられると恐縮しちゃうな。
私は自分の腰くらいしかない身長の彼女を見た。

かーわーいーいー。

実年齢を知らなかったら、お姉ちゃんと遊ぼうか?とか云いそうだよ。
そう、私の前に今いるのはウルリーケさん。
でも案内されたのは託宣の間じゃなくて、何処かの普通の部屋。
血盟城ほどではないけど、此処も広いよね・・・。
でもてっきり眞王に会うんだと思ったんだけど。
如何やら違うみたい。



「・・・・・・。」



部屋に入った瞬間、私は足を止め、目は在る一点を見つめる。



「?紗稀ちゃん、如何かした?」
「しっ、渋谷、黙って。」



・・・・・・何、これ・・・。

有利の言葉は私の耳には届かない。
部屋の中にはベッドに眠っている女の人。
それは良いんだけど・・・。
寝ている女の人の体から、何か黒い靄が出ている。

・・・・・・気持ち悪い。



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