奉還師

□ACT9
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「そう云えばあたしって有利達の世界には行けるのかな。」



結構何気ない一言だったんだけど・・・。
何だがこの一言によって皆を真剣に悩ませてしまった。



「如何なんだろう?俺はなんとなく行けそうな気がする。」
「そうですね。ですが、彼女の地球に行く、と云う可能性も捨て切れません。」
「そうだな。違うんだろう?ユーリ達とは。」



如何なるんだろう、と頭を捻る皆。
特に他意はなかったんだけど。
こう真剣に返されるとかえって困る。
此処で晶が一言。



「やー、ここで健が『じゃ、試してみる?』って笑うかと思った・・・。」



ごめん、ちょっとそれ簡単に想像出来て怖い。



「『じゃ、試し「止めろ!!」



晶は慌ててムラケンの口を塞いだ。
お前には前科が在るからマジっぽいと。
でも一回くらいは試してみたいかもしれない。



「ま、焦る事ないって。そのうち否が応でも行き来する事になると思うしさ。」
「経験者は語るねぇ・・・。」
「最近はタイミングも読めて来たぞ。」
「俺はまだ慣れないな。濡れるって云うのに如何しても抵抗が在る。」
「確かに。水恐怖症にならないのが不思議なくらいだよな。」
「水、つーか、液体恐怖症?」



そうだよね。
すっかり定番化してる移動方法だけど。
見てる側としたら何時の間にか乾いちゃってる、て感じだけど。
有利達は毎回毎回大変なんだよね。



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