奉還師

□ACT10
1ページ/3ページ




「ただいまー。」
「こんにちはー。」



るんたったー♪
るんたったー♪

眞魔国から自分の世界に戻れなかったのは残念だったけど。
でも有利達の地球に来る事が出来た。

勝馬様に会えるんだー。



「お帰りなさい。あら?」



うきうきの私を迎えてくれたのはやっぱり美子さん。



「初めまして、私「もしかしてゆうちゃんの彼女!?」



・・・・・・・・・はい?

うきうき気分だった私の動きは停止した。



彼女・・・、彼女、彼女ぉお!?



彼女ってのはあれですか?恋人とかそう云う意味の彼女ですか!?



「ちょ、何云うんだよ、お袋!」
「えー、違うのー?」
「違うに決まってるだろ。」
「違います!」
「彼女に失礼だろ!」



二人で真っ赤になって否定する。
そんな私達を美子さんはただ面白そうに見ていた。

ちょ、あんまり信じてないっ!?



「て訳で彼女を泊めたいんだけど・・・。」



有利が一応掻い摘んで説明してくれる。
美子さんはやっぱりにこにこしながら間髪入れずに頷いた。



「勿論!ゆっくりしていってね、紗稀ちゃん。」



何て可愛い人なんだ・・・。

笑顔を見るだけでこうなんかほっとする。
うちの母とは大違いだよ。



「でもゆうちゃんが帰って来てくれて良かったー。ママ、一人で淋しかったの。」
「一人?」
「あれ?親父と勝利は?」



一人って事は美子さん一人な訳で。
一人は独りでひとり・・・。



「えー!?勝馬様いないんですかー!?」
「そうなのよ、出張でね。しょうちゃんも大学に泊まるって云うし。」



予想だにしなかった展開。
まさか勝馬様が出張だなんて・・・。
うきうきるんるんで期待していただけに、開いた口が塞がらないと云うか。
こう、衝撃を食らってしまった。
そんな私を余所に着替えは私のを貸してあげるとテンション高い美子さん。

・・・仕方ない、仕方ないけど。
・・・会いたかったなぁ・・・。
ぐすん。



次→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ