存在

□第十三話
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船は港へと到着し、上陸したルーク達。
ふわっと潮風が香る。



「・・・・・・。」



シェンラは空を見上げた。
さきほどまで晴れていた空には、雲が少しかかり始める。



「そういやここからアクゼリュスってどう行くんだ?」
「北東のデオ山脈を越えた先ですね。」
「よし、急ごうぜ。」
「お待ちください。」
「あ?」



デオ山脈に向けて歩こうとしたルークをシェンラが呼び止める。



「今日は港に泊まりましょう。」
「ええ!?何言ってんだよ。急げばまだ師匠(せんせい)に追いつけるかも知れねぇんだぞ。」
「風向きが変わりました。このまま行けば天気が崩れます。」
「別に雨くらいどうってことねぇって。」



だから早く行こうと急かすルーク。



「・・・・・・いえ。」



ジェイドも空を見上げる。



「シェンラの言う通りです。今日はここに留まりましょう。」
「でもアクゼリュスへ急いだ方がいいのでは?」



アクゼリュスへの救助は一刻でも早い方がいい。
それは確かなのだが・・・・・・。



「雨のデオ峠は危険です。一応整備はされていますが、今は使われていない道。地盤が緩みやすいのです。」
「我々が土砂崩れに巻き込まれて生き埋めにでもなったら、洒落になりませんからね。」



ジェイドの一言でみんな顔を青くする。
生き埋め、という状態を想像したのだろう。



「・・・・・・仕方ないな・・・・・・。」



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