奉還師
□ACT1
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「♪〜♪」
ハッピーエンドで気分もルンルン。
思わずスキップなんかしながら散歩に出かける。
え?目的なんて勿論在りませんよ?
第一話の晶の真似です。
丁度降りそうな、降らないようなそんな天気。
「あ、曲がり角。」
其処を曲がったら有利とムラケンが現れたり〜とか?(勝利アウトオブ眼中。)
「・・・・・・・・・。」
目の前には・・・。
「ってんな訳ないよねー。」
至って見慣れた何時もの道。
「なーに期待してんだか。」
これじゃあ私は痛い子ですよ。
現実と夢とちゃんと区別してるつもりなのに。
「んあ?」
ポツポツと当たる感触に思わず仰ぐ。
「こんなトコは同じじゃなくて良いってばー!!」
私は空に向かって叫ぶ。
あ、口の中に雨入ったかも。
多分夕立ちだろう私を濡らす雨。
私はその中をただがむしゃらに走った。
雨宿りした方が良いって?
んな事判ってるわよっ!?
「何でこう云う時に限って、雨宿りする場所がないのよー!」
民家に駆け込めってか!?あーん?
雨がおさまる頃には私の服はぐっしょり。
おまけに・・・・・・。
「此処何処ですかー?」
周りは全く知らない場所。
「うわー。この歳で迷子とかマジ有り得ないんですけどー!」
此処がどの辺なのか、自分が何処から来たのかすら判らない。
「ここはど〜こ〜だ?ここはこ〜こ〜あ。」
晶、今なら判るよ、あの時の貴方の空しい気持ち。
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