奉還師

□ACT2
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「此処って封印師の世界ー!!??」



思わずそう叫んだのを後悔した。
私の言葉を聞いた瞬間、表情を変えた皆。
思わず口に手を添えてしまった。



「・・・何故その名を知っている・・・?」



私は肩を震わせた。
だって恐いんだ、想像以上に。
そして冷たいんだ、その瞳が。
天使、それが判るくらい綺麗なヴォルフラム。
その分、迫力がある。
私は何かを云おうと口を開く。
でも喉から出たのはただ空気の音だけ。
息をする事を忘れるくらい、長くて痛い沈黙。
例えるなら預けられていたお金を失くしてしまって、ネコババしたんだろ!?と責められた感じ(違う)。



「まぁまぁ、女の子相手にんな睨むなって。」



そんな沈黙を破ったのは晶。
多分、彼女も同じような視線を受けたんだろうなとふと思った。
そうですね、と彼女に同意をしたのはコンラッド。
さりげに何かを見た気がする。



「とにかくまずは服を着る事をお勧めしますよ。」



私はその言葉で視線を自分の体に移した。
まだ水が滴る私の体が纏っているのはタオル一枚のみ。
濡れていたせいで体のラインはもろに出ている。



「きゃああ〜〜!!」



そして冒頭に戻る訳です。



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