奉還師

□ACT4
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それが何かはよくは判らないけど。
でもそれがよくないものだと云う事だけは判る。



「一体何なの・・・?」
「見えますか?これが報われなかった想いです。」
「これが・・・?」



報われない想い。
そう聞いただけでも決して良い印象は受けない。
更にあの黒い靄。
思わず一瞬すくんでしまう。



「触れて下さい。」
「触れるってコレに!?」



冗談じゃないと云う目で見てしまったけど、ウルリーケさんの真剣な顔で怯む。



「はい。触れて、彼女の負の感情を還してあげて下さい。」
「・・・・・・。」



視線に促されてベッドに近付く。
私が近付くと更に黒い靄が増える。
吐き気がして暈もする。
胃の中が煮え繰り返るってこんな感じなのかな(違う)。

・・・恐る恐る、手を延ばす。
黒い靄に触れた瞬間、ぴりっとした静電気のような痛みを感じて思わず手を引いた。



「・・・あ。」



それは本当に瞬く間に。
黒い靄が消えて、雪みたいな結晶になる。
キラキラまるでダイヤモンドみたいに輝いて消えて行く。



「・・・・・・流石は奉還師様。」



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