奉還師

□ACT5
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ムラケンを置いて眞王廟まで辿り着く。
昨日は入れなかったけど、やっぱ綺麗だなぁ。
私一人興味深げに辺りを見ていると、あからさまに晶の雰囲気が変わった。
何て云うか・・・、不機嫌?



「まずはサキ様、これを。」



ウルリーケから渡されたのは指輪。
飾りで付いているのは・・・。



「何だろ?」



私に判る訳がない。



「翡翠だな。」



別名ターコイズだっけ?(違う)



「これが貴方に道を示すでしょう。」



ウルリーケさんは多くを云わなかった。
疑問は在ったけど多分答えはないんだろう。



「アキラ、これを。」
「これは・・・。」



続いて晶に渡されたのはネックレス。
中央には透明の水晶が遇われている。
・・・何か占い師が使う奴みたい。



「如何云う事だ?何でこれが此処に在る。」
「やはり判るのですね、これが何か。」
「え、晶、これ何?」
「・・・サクリアだよ。」



晶の言葉に皆目を見開いた。
だってサクリアは晶がちゃんと自然に戻し封印した筈で、此処に存在しない筈。
よしんば存在しても、透明なんてなかった筈だ。



「でも九つもないようだが?」
「これは時と場合によりその色彩を変えるのです。自然から必要な力を取り込むのです。」
「つまりは俺の体に負担をかけずにサクリアの力を使えるって話なんだが・・・。」
「え!?それって凄くない?」



晶は力を使う度に倒れていた。
それがなくなってあの力が使えるんだったら万々歳じゃない?



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