奉還師

□ACT7
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「わ〜・・・。」
「此処まで喜ばれると連れて来た甲斐が在るよね。」
「市場みた〜い。」



いや、実際そうだと云う突っ込みはなしの方向で。
血盟城とか眞王廟とかって何か貴族って云うかお金持ちって感じだからさー。
こう庶民!って空気が馴染みやすい!



「ねっ、ねっ、あれ何?」
「おいおいあんまはしゃぐなよ。」
「だーいじょーぶ!?」



ぶ、と同時に私は誰かの胸板に突っ込んだ。
・・・んー、でもどちらかと云うとこれはメタボ気味なお父さんの感触?



「いってーな・・・。」



一気に嫌な予感が駆け巡った。
私は恐る恐る顔を上げた。



「ご、ごめんなさいぃぃ!!」



其処には如何にもいかつそうなお兄さん。
うわーん、勘弁してよぉ。



「あ、てめぇ!」
「ん?お前らは・・・・・・。」



お兄さんは徐に晶を指差した。

し、知り合い・・・?



「お、お友達?」



ぎ、ぎ、ぎ、っと首が鳴りそうなほどぎこちなく振り返る。
本当なら今すぐにでも晶の背後に隠れたいのに、足が云う事を効かない。



「友達な訳ないだろ、こんなのと。」
「ですよねー。」
「こんなのだぁ?」
「莫迦にしやがって。」
「え?」



次の瞬間私の体が宙に浮いた。
襲って来た浮遊間に慌てるしかない。



「え〜〜っ!?」



男達は晶達には適わないと思ったのか、私を掲げて逃走。



「ちょっと待ったぁ〜!!」
「紗稀!!」



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