奉還師

□ACT8
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「これはまた随分と可愛らしい方ですね。」
「ど、どうも。」
「ふむ。腰が低いのはアキラと同じですわね。」
「何だって?」
「いえ、別に。」



アニシナは晶にしたのと同様、私の服を作ってくれた。
見た目は・・・セーラー服。
ブレザーだった私には新鮮だ。



「なんか中学生っぽくない?」
「そう?似合ってるよ。」
「そ、かな。」



有利も割と天然でこう云う事云いますよね。



「ユーリー!!」
「グレタ!」



向こうから走り寄って来るのは、有利の可愛い可愛い愛娘。



「グレタ、紹介するよ。この子は紗稀。」
「か・・・。」
「か?」



目の前の小首を傾げる女の子に私はもう我慢の限界だ。



「かわゆす〜!!」



衝動のままに女の子、グレタを抱き締めた。



「「そうだろ、そうだろ。」」



有利と晶が揃って頷く。



「んもぅ!大好き!」
「ありが、とう?」



まぁ、初対面の人に告白されても困りますわな。
あぁ、でも可愛過ぎるグレタが悪いんだぃ!



「あたし紗稀。宜しくね。」
「サキ?」



きゅ〜ん。
もう私の心はグレタに鷲掴み。



「グレタだよ。サキはグレタのお母さん?」
「えっ!?」



グ、グレタさん!?
ヴォルフラムさんの前で何を云っておられるので?
うっひぃ、絶対殺されるぅ!
恐る恐る振り返ると、案外落ち着いた顔の天使さん。



「サキならば仕方ないな。」
「「仕方ないって何!?」」



私と有利、二人で叫んだ。



「前々からグレタは母親を欲しがっていたからな。父親として見過ごす訳にはいけないだろ。」
「は、母親って・・・。」
「お義母さん?」
「「止めてー!!」」




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