お題

□ルール
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「ルールは守る為にあるんです!」
「違うよ。ルールは破る為にあるんだよ。」



爽やかに、でも黒くそう云ってのけるのはうちの学園一の問題児キラ・ヤマト。
成績はいい癖に連むのはガラの悪い奴らばかり。
ううん、連むと云うのは正しくない。
駒として使っているんだ、他人を。
自分の手は汚さない、卑怯な奴。



「破る前提ならばルールなんて存在しません!」



だから授業に出て下さい。
そう叫んだ私に、彼は冷ややかな視線を投げた。



「じゃあ聞くけど、守ってる奴は犯罪なんか起こさない訳?」



片側だけつり上がる口角。
押し黙った私に彼は背を向けた。



「・・・・・・。」



何も云えなかった・・・・・・。
それは彼の云っている事が真実だから。

守って、守って、守って。
そう頑なになっていた人達が些細なきっかけで罪を犯す。
突如として。



「はぁ・・・。」
「またキラ・ヤマトと対峙してたの?あんた。よくやるわ。」
「だって同じクラスなのよ?」
「ってだけじゃん?深入りしない方がいいって。あんたまで目ぇ付けられちゃうわよ。」



放っておくのが一番いい。
そんなの云われなくても判っている。
私が彼に関わって得する事なんてないかもしれない。
それでも・・・・・・。



「授業に出て下さい。」
「・・・・・・。」



君、バカなんじゃないの?
そう云われた気がした。
えぇい!負けるもんか!



「勝負よ!キラ・ヤマト!」
「勝負?」
「そう。ルールは無用!勝てばいいの。」
「なるほどそう来たか。・・・・・・いいよ。君が勝ったら大人しく授業に出るよ。でも僕が勝ったら君を貰うから。」
「へ?」



ルール無用の大勝負開幕。



ルールの存在意義とは?





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