SPIRITS-BAR

□PRIDE
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今は囚われの狼

その瞳に映る月が
余りにも眩し過ぎて…

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   《PRIDE》
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―――某日 留置場


「御剣上級検事より、個別の尋問があるそうだ…。君にはそれに対する拒否権もあるが……?」

初老の検察官が、東谷に尋ねる。

東谷は無表情のまま…少々身を傾けて、検察官に応えた。

「…わかりました…」

東谷は立ち上がると、刑事二人に付き添われ尋問室へと向かう。


(御剣怜侍……)


随分と立派になったものだ…と。

助手席で小さく震えている、透き通る肌を持つ青年だった。

変わっていないのは……あの冷淡な瞳。
必死に生きようとする、あの輝き。

あれは、確か…六月の冷たい雨の中だった。

泣きじゃくる闇の中、あの青年と話した思い出が…東谷の脳裏に浮かび上がる…。


――そう…こんな雨の夜に…。
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