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□見ちゃった!!
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「おかあさまっ♪」
エドガーとリディアの愛娘であるエレンが母親の仕事部屋をひょっこり覗くと、毎日の日課である夫妻愛情表現が営まれていた。
「ん……っ、っドガー」
苦しそうに母親が父親の胸元を叩いているが、父親はビクともしない。それどころか密着させた身体を更に引き寄せ、濃厚な口づけを繰り返している。
「……」
エレンはその光景を凝視したまま、立ち尽くしていた。
やがて愛情表現の終えた二人が気配を感じて扉の方を向くと、エレンが呆然と自分たちの姿を捉えていた。
「あっ……エレン……」
「エレン」
リディアが頬を赤く染める中エレンはハッと我に返ると、



「おじゃましました」


礼儀正しくお辞儀をし、その場を去って行った。
「ちょ、ちょっとエレン待ちなさい!!」
娘の後を追い掛けようとするリディアの足をエドガーは引き留める。
「リディア」
「エドガー?」
「エレンは僕たち夫婦の時間を邪魔しちゃいけないって理解したんだよ」
「夫婦の時間……って、元を言えばあなたが毎朝押し掛けてあたしの部屋に入ってくるからじゃないの!!」

そんなこと理解しなくて良いわよエレン〜!!

リディアが再度エレンの元へ駆けて行こうとするが、娘の行動に気を良くしたエドガーが手離す筈もなく、


「さっ、リディア。エレンの好意に甘えて続き……しようか♪」

リディアの身体を引き寄せて部屋の奥へと導いて行った。




その後、リディアの甘い声が部屋の奥から聞こえるのでした。













その頃、両親の愛情表現光景を直視してしまったエレンは、
「おかあさまとおとうさま、くっついてた。あれってきっと〔キス〕だぁ!!」
きゃあきゃあ言いながら自室へと戻って行くのでした。













END
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