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□相談事……
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お昼を過ぎた頃、クロノアール公爵夫人が伯爵邸を訪れた。
彼女は昨日、リディアに手紙を送った張本人であり、リディアに直接尋ねたいことがあるとのことでこの屋敷にやって来たのだ。
だが妊娠中のリディアは、あまり動くことができないため、エドガーが彼女を出迎えた。
「クロノアール夫人。ようこそいらっしゃいました。妻から話しは伺っています。さあ、こちらへ…」
「こっ、こんにちわ、伯爵。今日は突然お邪魔してすみません」
エドガーにエスコートされながら、夫人はおろおろと目線をさ迷わせる。
その様子からエドガーはいつもの夫人とは違うと判断し、声をかけた。
「クロノアール夫人?」
すると夫人は申し訳なさそうにエドガーに告げた。
「……あの、伯爵…」
「え?」
「リディアさんの部屋に訪れたら、私と彼女を二人っきりにさせてほしいのです」
「……それは、僕が聞いてしまうと何かまずいのでしょうか?」
「はっ、はい!!」
はっきりと頷かれ、エドガーもそれ以上聞くことができないまま、リディアの部屋へ夫人を案内した。
「リディア、クロノアール夫人が来られたよ」
「はい。どうぞ入って」
ガチャリと扉を開けると、妊婦姿のリディアがこちらへと歩みよってきた。
「あぁ!リディア、危ないよ。安静にしてなきゃ!」
夫人から離れ、エドガーはリディアの元へ走り、窓辺に置かれた椅子に座らせた。
「もう、エドガーってば心配しすぎよ!」
「いいえ!リディアさん!気をつけないといけませんわ」
ずぃっとリディアとエドガーの前にクロノアール夫人が割って入る。
「妊婦は安静、安全第一です!気をつけないと!!」
「は、はい…」
夫人の勢いにリディアも押され返事で答えた。
夫人ははっと我に返り、来所したときと同じようにあたふたし出した。
「すっ、すみません。私、偉そうなこと言って……」
「いや、クロノアール夫人、リディアにはもっと強く言ってやってください。でないといつも無茶をするので」
「ちょっとエドガー!わたし、無茶なんてしてないわ」
「じゃあこの間、書斎の一番上にある本を取ろうとして脚立からひっくり返りそうになったのは無茶じゃないって言うの?」
「う……それは…」
「ほら、それが無茶だって言うんだ!きみはそうやっていつも僕の心を掻き乱す」
「か、掻き乱すってそんな大げさな……」
夫人から発信された会話は段々とエスカレートしていき、エドガーとリディアの痴話喧嘩になりかけていた。
これではまずいとクロノアール夫人は二人の会話に飛び込む。
「あ、あの、エドガーさん!私、リディアさんに相談があるんです。なので二人っきりにさせてください!!」
「「クロノアール夫人…」」
夫人の発言にエドガーとリディアは会話を中断し、彼女に目を向けた。
「わたしに相談したいこと……」
「はい!なので伯爵、少し席を外してください」
「エドガーが傍にいると話せないことなの?」
「ええ。リディアさんと二人っきりでお話ししたいんです」
「……というわけだからエドガー、部屋から出てくれる?」
「いや、やっぱり僕もいたほうが……」
「伯爵!!先程私も言いましたよね?お願いします」
夫人より念を押され、エドガーは渋々部屋から出て行った。
静かになった室内で、リディアはソファーに座るように促す。
「クロノアール夫人、わたしに相談したいことって何かしら?」
「あ、リディアさん、私のことはレアラと呼んでください。えっと…それでですね聞きたいことなんですが……」
「はい」
レアラはソファーから立ち上がり、緊張した面持ちでリディアの前に歩みよってきた。
そして……
「あの…赤ちゃんって、どうしたら早く出来ますか?」
「………」
レアラの言った意味が分からず、リディアはぱちくりと瞬きする。
数秒後、
「あ、赤ちゃんが早く出来る方法ぉ!!!!!」
ドアの外でガタリと物音がした。












続きはメールにて(笑)

長々と駄文失礼致しました!!




2010 9 10
管理人 水樹憂菜

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